拾っちゃった
投稿者:ぴ (414)
「もしかして拾っちゃったかも?」と思ったのでした。
翌朝は仕事に復帰したけど、やっぱり一日中調子が悪くてたまらなかったです。
とにかく肩が凝って重く、まるで何か重いものをずっと肩に乗せているようだと思いました。
そして、朝は同じ散歩中の犬に吠えられ、知らない子供には泣かれてしまいました。
とにかく私はお祓いをしなくちゃいけないかもしれないと思いました。
こうしていつも通り仕事を終えて、家に帰宅していたら気づいたらあの歩道橋の下にいたのです。
私はそれに気づいたときに、体が固まりました。
いつもの帰り道コースではあったのですが、あの歩道橋でのことがあって以来、私は怖くて帰り道のコースを変えていたのです。
さらに今日は具合も悪いし歩いて帰るつもりは到底なく、タクシーを捕まえて帰ろうと思っていました。
それなのに、気づいたら歩いて例の歩道橋に歩いてきていました。
私はすごく嫌な予感がしたのです。
そこで、後ろに誰かが立っているのに気づいて、私はぞわりと腕に大量の鳥肌が立つのを感じました。
ぐいっと腕を引っ張られて、私は誰かに手を引かれて歩道橋の階段を上り出しました。
その後ろ姿はまさしくあの日歩道橋から飛び降りようとした学生の後ろ姿でした。
私は必死に抵抗したけど、まったく体が動かなくて、その子が引っ張るままに歩道橋を渡りだしたのです。
どんどんあの場所が近づいてきて、私は鳥肌が止まらなかったです。
そして丁度あの男の子がいた付近にまで連れられてきて、私は歩道橋のところに立たされました。
後ろにそれがいるのです。
私は身を固くして、いつ下に突き落とされるか分からない恐怖を感じたまま、歩道橋の上でしばらく下を見させられました。
「助けて」と、私は必死で助けを求めましたが、後ろからは暗い笑い声が聞こえてきました。
そして、次の瞬間に背中をぐいっと押されました。
私は歩道橋の上で必死で手すりに捕まって、落とされまいと抵抗しました。
でも後ろから圧迫される力に負けて、体制を崩しそうになったときに、突然「ドン」と後方から音がしたのです。
それは本当に偶然に、歩道橋を駆け上がってきた子供が何かにぶつかった音でした。
ふっと隣で何かが下に落ちていくのが分かりました。
制服姿の男の子が驚いた顔のまま、歩道橋の下に落ちていく姿でした。
落ちずに済んだ私はその場で、思わずへたっと体が崩れ落ちたのですが、子供が私にぶつかってしまったと勘違いした後から登ってきた子供の親が慌てて私に謝ってから、そのまま走っていく子供を慌てて追いかけていきました。
呆然とその場に座りこんでいたけど、私はその後ゆっくりと立ち上がり、よろよろしながら家に帰りました。
その日から、体調不良だった体も治っていき、そして肩の重みも、近所の飼い犬に吠えたてられることもなくなりました。
あの日、私はたぶんあそこで拾っちゃったんだと思います。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。