後ろの手
投稿者:ぴ (414)
私が初めて後ろの手を見たのは、幼い頃でした。
小学生3年生のときに担任の先生が後ろを向いたときに、髪の隙間から不自然に手が出ているのを見たのです。
見たのは一瞬のことで、瞬きの間に手は消えていました。
あまりにびっくりしてその話をしたら、周りの子は「嘘つき~」と指さして、私を囃し立てました。
そしたら、その数日後に担任の先生は亡くなったんです。
睡眠薬の過剰摂取による事故死だったと聞きます。
仕事が忙しすぎて精神的におかしくなっていたらしいので、もしかしたら正しくは自殺だったのかもしれません。
そのようなことがあり、私は学校でよく虐められました。
まるで私のせいで先生が亡くなったかのように言われて、それがきっかけで登校拒否になりました。
こんなことがあったから、二度目の後ろの手を見たときはすごく怖かったです。
それは私の元カレの父親だったのですが、わざわざ部屋に来て私に挨拶してくれた元カレの父の後ろ頭にあの手が見えたのです。
私はどうしようもなく怖くなって、彼に最後まで言うことができませんでした。
だってまた昔みたいに、気味悪がられたり、彼に嫌われたくなかったのです。
案の定、それから数日後に元カレのお父さんは亡くなりました。
これも借金地獄におぼれた末の自殺だったと聞きます。
それから私は人の後ろ姿を見るのがとても怖くなり、俯いて暮らすようになりました。
元カレともあれを言えなかった罪悪感からしばらくして別れてしまいました。
あの手は私にとって死神みたいな存在です。
もしそれが身内に見えてしまったらどうしようと今も怖いです。
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