死神ってヤバいと思った話
投稿者:翡翠 (3)
その夜、自室のベッドで考えるのは死神のこと…
自分は死期が近いってことか?
何で俺が狙われるのか?
でもただの悪夢ってだけなのかも…
いや、寝たら死んでしまうかも!
そんな事をとりとめも無く考えている間にも、睡魔には抗えずに意識を手離してしまいました。
いる
目の前にいる
漆黒の眼孔
片手にした大釜を振りかぶったそれは、間違い無く首に狙いを定めて…
振り下ろす
A君「うわぁー!」
明け方のA君の大声に起こされた両親が部屋に何事かとやって来ました。
ガタガタと震えながらも姉宅から見続けている死神の夢を話しました。
実はご両親共に霊感が有り、A君の語る奇怪な話も否定しないで聞いてくれました。
母「死神に狙われていたにしても、あんた今は生きてるじゃない。」
父「お前が帰宅しても、家の中では何も感じなかったぞ」
汗びっしょりで震えるA君に両親はあっさりと諭しました。
A君は腑に落ちないながらも一応助かったんだ、と思いました。
そして次の晩は夢も見ずに爆睡できたそうです。
やっぱり気のせいで悪夢を見続けていたのかも…
その日の朝、A君の姉が亡くなりました。
急性心不全でした。
A君は姉のことを「アホみたいに健康な人だったのに」と言いました。
そしてA君は続けます。
「お葬式はぼーっとしていてあまり覚えていないんだけど、告別式が終わって姉宅に親族が戻った時に義兄さんが言ってたんだ。
姉が亡くなる晩に、自宅の周りでじゃらじゃらと音がしていたんだって。
じゃらじゃらと何かを引き摺る音がずっと聞こえていたって。」
立て続けに人が亡くなるその地域にはアイツがいるんだよ、頭蓋骨を下げた鎖を引き摺って。
てっきり主人公が狙われているのかと思いきや、姉だったか……秀逸な投稿。