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不思議体験

ぴさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

不思議な占い館
短編 2022/08/22 11:26 1,381view
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私はその日、仕事でむしゃくしゃして、一人で浴びるほどお酒を飲みました。

千鳥足で家に帰る途中で、なんだか不思議なお店を見つけて、そこに引き寄せられるように入りました。

そこはどうやら占い館だったみたいで、あれやこれやと気づけば目の前に怪しい老婆が座っていたのです。

酔っぱらっていたので、はっきりとすべて覚えているわけではないけど、とにかくその老人は存在感がありました。この顔だけはよく覚えています。

そして私が何も聞いていないのに突然占いを始めたのです。

来たくて来たわけでもない占い館で、私は最初不信感だらけでした。

だけどあまりにも私の今の悩みをズバズバ当ててくるので、驚いたのです。

私は現在の悩みを解消する方法を聞きました。

そしたら不思議な飴をくれたのです。困ったときにこれを舐めなさいと言われ、透明の袋に入った虹色の見たこともない飴をもらいました。

この占い館でいくら支払ったのかは記憶にありません。

ただお財布から諭吉がなくなっていたので、結構搾り取られたように思います。

翌日気になってあの占い館を記憶の限り探してみましたが、見つかりませんでした。

そして私は手元にあの飴だけが残ったのです。

最初はどこの誰とも分からない老婆にもらった飴なんて捨ててしまおうかとも思ったのですが、なんとなく捨てれないまましばらく時間が経ちました。

私は仕事で上司との関係が悪くて、そのせいで悩んでいました。なぜかあからさまに嫌われているのです。

その日も上司にたんまり嫌味を言われたあと、泣きながら帰っていました。

そして思い出して、あの飴を食べたのです。すごく甘酸っぱい、今まで食べたことのない味でした。

そして翌日私は思いもよらぬ話を聞きました。

なんと私と仲が悪かった上司が重い病を患ったらしく、退職したと聞いたのです。

あまりの突然のことに戸惑うくらいの出来事でした。

そのおかげで、私の悩みは一気に消え去りました。

その後何度か付近を捜したり、千鳥足になるまでお酒に酔ってみたりしましたが、結局あの占い館を見つけることができませんでした。

私はあの日もしかしたらどこか不思議な場所に迷いこんでいたのかもしれません。

そしてあの不思議な飴、もう一度入手することができたらと思わずにはいれないのです。

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