不思議な贈り物
投稿者:ぴ (414)
私は11歳の誕生日に、仲が良かったわけでもないクラスメイトの男の子から贈り物をもらったのです。
それは手作りの人形というあまり嬉しくない奇妙なプレゼントでした。
すぐに捨てても良かったのですが人形というので何だか怖くて捨てにくい感じがしました。
だからしばらく納屋に放り込んで、そのままにしていたのです。
しばらくして異変がありました。一人で部屋で宿題をしていたら、突然部屋のドアが少し開いていることに気づきました。
誰か来たのかと思って顔を上げたけど誰も入ってきません。
私がドアを開けて確認したけど、そこには誰もいませんでした。
一度くらいなら閉め忘れたというので納得しますが、こういう奇妙なことが何度か続きました。
そしてあるときに、何かが走っていく姿を目にしました。
それは小さな小さな小人みたいな人影で、私はそれを見てあの人形を思い出したのです。
慌てて納屋に確認しに行くと、納屋に放っていた人形が無くなっていました。よく探したけど出てきません。
私は父に聞いてみたら「知らんよ」と言われました。兄や弟が持ち出した様子もなかったです。
あまりに気持ちが悪くて、私はしばらく神経を尖らせていました。
そしたらあのクラスメイトに会いました。「あの人形使ってる?」と聞かれました。
私は納屋に放っていたことが後ろめたくて、「うん」と頷いて誤魔化してしまったのです。
「要らなくなったら燃やして」とその子は言いました。
それから人形のような人影を何度か見ました。
私の部屋を覗いたり、まるで監視でもされているようで怖くて体がぞわぞわしました。
ある日部屋に入ると足元で何かを踏みつけました。ぞわっとしました。
私が踏んでいたのはあの人形だったからです。
怖くてたまらなかったけど、私はその人形をつかんですぐにおじいちゃんの家に行きました。
おじいちゃん家は近くて、そして庭のドラム缶の中で紙を焼いたりしていた記憶があったからです。
私はおじいちゃんにせがんで、人形をその場で焼いてもらいました。
おじいちゃんはその後電話がかかってきたので、家の中に入りました。
私は安全のために火が消える様子を見ていてくれと言われて、見ていたのです。
そしたら人形が燃えてなくなる最後の瞬間に「ぐぐうううう」という低く苦しそうな男の声を聞き、鳥肌を立てました。
あれを境に私は世界で一番人形が嫌いです。
あのクラスメイトがどういうつもりで、あのような贈り物をしてきたのか分かりません。
大人になってその男の子が失踪したというのを噂で耳にしました。私の青春の中で、一番怖い思い出です。
呪いとか何らかの念が籠っていたかもしれませんね。