鳴き声
投稿者:風見鶏 (6)
短編
2022/07/24
13:26
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長い事聞いているせいか、猫の鳴き声というよりかは赤ん坊の泣き声のように聞こえてきた。
「オギャアアアア!オギャアアア!」
、、、いやまて、これは赤ん坊の泣き声だ。寝惚けていたせいか?もしかしたら最初から赤ん坊が泣いていたのか?いや、でも声は外から聞こえる。赤ん坊が外で、、、泣いてる?
背中にじんわりと汗が広がるのがわかった。
「オギャアアア!!オギャアアア!!オアアアアア!!」
いや、、、外というより窓のすぐそこだ。窓越しに泣いている位に声量が大きい。足元に目線を少しズラせば確認出来るが、本能がそれを必死に止めているのがわかる。
布団を力強く握りしめ頭から被り、目を瞑った。
頼む、猫であってくれ!と願うと同時に、猫であったとしても何故すぐそこにいるのかという疑問が脳内を巡る。
「オギャアアア、オギャアア、、オヤアア、、、ウヤアア、、、、アア、、、、、」
少しずつ遠ざかる声と共に、恐怖からか、はたまた遅れてきた睡魔からか、俺の意識も失われそうだ、、、。
もう、、、声は聞こえない。暗闇に意識が落ちていく、、、。
ガチャ
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