鳴き声

「ママぁーーーーー」

扉を開けたそいつの低い声が、耳元で聞こえた。

「ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ」

アラームの音にハッとして目を開ける。

部屋の中は朝日が差し込み薄明るい。

ゆっくり体を起こし、窓に手を付き外を眺める。

向こう側には見慣れた高層ビル。

下を見れば横断歩道を歩く人が蟻のようだ。