鳴き声
投稿者:風見鶏 (6)
短編
2022/07/24
13:26
2,396view
「ウニャ~ゴ、ウニャ~ゴ」
薄っすらと目を開け、横に置いたはずのスマホを探し時間を確認する。深夜2:38。
寝つきの悪い俺にとっては、こんな時間に起こされるのは致命的だ。
「はぁ」とため息をつきながら暗がりの中、寝惚け眼で睡眠妨害した犯人を探る。
、、、盛りついた猫か。
「ウニャ~、ウニャ~、ゴロゴロ」
気持ちはわからんでもないが、何故夜中なんだ。頼むから今は勘弁してくれ。
耳を塞ぐように布団を被り、何も考えないように集中する。
、、、逆効果だ。集中すればするほど睡魔が遠ざかっていく気がする。
あー、畜生。
目が冴えるにつれ、最近ツイていない事ばかりだと思い返す。
仕事で立て続けにした小さなミスで徹夜続き。通勤電車では連続で足踏まれるし。
この前は買って3日もしないうちに財布を落としたっけ。
、、、そーいや昨日、知らないオッサンにコーヒー溢されたな。スーツクリーニングに出さないと。
最早寝ることを諦めた俺は、段々と大きくなる鳴き声に耳を傾ける。
猫も大変だ、、、。好きで盛ってるわけじゃないだろうに、、、。
「ウニャ~ゴ、フニャ~、フニャ~~アア、、、」
鳴き声が微妙に変わってきた気がして、終わりを期待した。
「フアアア~、オニャアア~、オアア、、、」
「オヤアア、オヤアア、オギャアア」
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 3票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。