ある男の話である。
せっかくの休日だというのに、早く目が覚めてしまった。
二度寝しようと思ったが、寝付けず今に至る。仕方なくテレビをつけて身支度を始めた。すると友人のAからドライブに誘われた。急な予定だったが、暇が潰れると思った俺は二つ返事でOKをした。
Aが自宅まで迎えに来てくれたので俺はその車に乗り込む。目的地は?との質問にAは秘密と答えた。まぁこいつのことだ、適当にぶらぶらするんだろうなぁとそれ以上訊かなかった。
道中、俺たちはくだらない話で盛り上がった。学生時代の思い出話や、最近話題の出来事や、テレビ番組の事などなど。一際盛り上がったのはC子という女の話だった。C子は3か月程前に合コンで知り合った女で、如何にも田舎から上京してきましたという垢ぬけない女だった。
俺もAも面白半分でちょっかい出しちゃったんだよね。そしたらC子がAに一目惚れしちゃってさ(笑)まぁ俺もAに押し付けたいがためにC子を嗾けちゃったんだけど。
それからC子がAにつき纏っちゃってさ。そりゃ大変だったよ。
Aの自宅に押し掛けたり、職場に連絡しちゃったり、ストーカー紛いのこと始めちゃってさ。Aもかなり参っていたし、俺もC子を嗾けてAとくっつけようとした罪悪感を感じていたからさ。C子を説得しようとしたんだけど言うこと全然きかなくて。
「あれには参ったよ」
「C子の粘着は異常だったもんな」
「他人事みたいにいうなよwお前だって共犯なんだからなw」
そう、俺たちは力づくでC子を説得することに成功した。本人は多分納得していないだろうけど、最後C子は黙って何も言わなくなった。
あてもなく走っていた俺たちだが、山奥の林道の行き止まりにたどり着いた。車から降りたAが俺に言う。
「はいよ共犯、これがお前の分だからな」
トランクには2つのスーツケースが入っていた。
そうきたか、、、
え、、まさか。。(怖ッ!!
や、、殺ったのか?(震え)
おお、短く纏まっていながらバッチリ怖い、良いですね…
力ずくってまさか