白いカーテン
投稿者:ギュ (1)
長編
2022/07/17
00:58
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今度は先に行こうとするA君の背中を摩りながら、
「あの道のり走るの大変だったでしょう。車涼しいから…」
A君の存在に気がついたB子が車の外に出て、駆け寄ってきます。
「もう、心配したんだから!」
と抱きつき、彼氏も車から出てきて、A君に謝っています。
A君も2人に自分がした事を話していて、2人共笑いながら
「びっくりしたー」
「もう!!!やめろよそう言うの!本当に女性の声かと思ったじゃねーか!」
と言い合いながら、車に入っていきました。
「おーい!帰るぞ!」
私に呼びかける彼氏の元に私も歩きました。
でも…これだけは3人に言うのはやめておこう。
私は煤で黒くなって手をはたいて、そう思いました。
帰り道の車内では、A君が真似した女性の声を何回も披露するが、2人はもっと高かった、もっと柔らかったなど、しっくりしてないようでした。
私は、起きる少し前に夢を見ていました。白いカーテンが揺れるリビングで幼い子供と遊んでいるお父さんとお母さんの後ろ姿の夢です。…きっといや、絶対あの家の人たちが全焼した後もあの家で暮らしているんだろとあれ以来訪れてはいないけど、私はそう思っています。
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