白いカーテン
投稿者:ギュ (1)
「B子!出口が見えるよ!」
慰めの言葉になっていたのかわかりませんが、こう言う他無かったのです。
出口が見えるコンビニの駐車場に車を止めて、A君が来るのを待ちますが、いくら経ってもA君が現れません。私は後部座席に移動してB子を慰めました。
ますます、泣きじゃくるB子は彼氏に向かって
「あなたがいけないんだから、迎えに行きなさいよ」
と強い口調で伝えましたが、彼氏は嫌がりました。心霊スポットが大好きなはずなのに、これはなんかあったなと、まだ、状況が把握出来ない私は
「何があったの?」
と聞きました。沈黙する2人でしたが、最初に口を開いたのはB子でした。
「Aを下ろしたのよ」
「…アイツだってノリノリで降りたじゃねーか!そしたらアイツ、何を思ったのか、林の中に入って行ったんだ」
「林の中へ?」
「インターホンが…近くにあったの…」
「インターホン?」
「あの家の…インターホン。近くって行っても、10歩ぐらい林の中に入った所に。それをアイツは押したんだ」
「でも、押しても、誰も…」
「出たんだよ!!」
「えっ??」
私は彼氏の方を見た。バックミラーに映る彼氏の顔は顔面蒼白だった。
こんなに顔面蒼白になる人を私は初めてみた。
「出たんだよ!!女性の声ではぁーいって」
B子は耳を塞いでしまっていた。
「そんな…」
「でも、アイツが俺たちを驚かせようと高い声を出しただけかもしれない。でも、俺たちは確かに女の声を聞いたんだ。アイツは走って車の所に来た、今度はハッキリと俺たちは見たんだ!アイツの後を追ってくる、黒い人影を…それで、怖くなって俺は車を走らせたんだ。」
この時の叫び声が私が起きた声だったようだ。
「あっ!」
出口を見ていた彼氏が、指をさすと、フラフラになりながらこっちに歩いてくるA君だった。今にも倒れそうなので、私が車から出て迎えに行く。
「だ、大丈夫?」
「ひでぇーよな…急に車を発進させやがって…2人を怖がらせようと、高い声出しただけなのに…」
そう言うA君の肩を私はそっと叩いてこう言った。
「2人とも、めちゃくちゃ驚いてたよ。」
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