奇々怪々 お知らせ

心霊

瑠璃さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

不思議なアパートに住んでいた時の体験
短編 2021/02/09 23:06 1,702view

数年前、築30年近いアパートに住んでいた時の話です。

そのアパートはとある田舎にある激安物件でした。
1時間に1〜2本程度という使いにくい駅でしたが、徒歩10分圏内に駅があり、車があれば買い物にも困らない好立地。
築年数は経っているものの、2Kという広さで駐車場代込み5万円以内という破格の物件でした。
当時の私は新卒でお金がなかったこともあり、特に何も考えずに入居を決定。
引越しまではスムーズに終わりました。

おかしかったのはその後です。
夜中の2時ごろに、決まって家の同じ場所からピシッ…ピシッ…と音がなるのです。
2階建て物件の1階だったので、最初は上の階の音かと思いましたが…毎日決まって音がするのはありえません。

これについては始め怖がっていたものの、日数が経つにつれて慣れていってしまいました。

音関係では、もうひとつ。
2〜3ヶ月に1度、夜中にインターホンが鳴り、ドアノブをガチャガチャとされることがありました。
しかし、インターホンを鳴らされるまでに人が近づいてきた気配を感じないのです。
そのアパートは玄関に入るまでに一度、外の引き戸を開けなければならないのです。
リフォーム済みとはいえ安く古いアパートですから、引き戸を開けた時はほぼ確実に気づきます。
静かな夜中なら尚更です。
TV付きインターホンはありましたが、怖くて見る勇気はありませんでした。

そして、明らかに運気が下がり、悪いことが立て続けに起こりました。

新卒で入った会社はブラック企業で、よりによって1番ブラックな部署に飛ばされ、精神を病み退職。
退職後の転職先もなかなか見つからず、やつと見つけた会社も求人詐欺のブラック企業。
生活費もままならず、借金を作り恋人には浮気され…ほぼ全てを失いました。

1番不思議だったのは、頻繁に見る黒い影でした。
そのアパートには約4年間住みましたが、月に1度のペースでそれを見かけました。
はっきり見えるというよりは、視界の隅にチラッとうつり、その方向に視線を向けると消えるような見え方です。
こちらはかなり不気味でした。

元々霊感が強く、両親も同じだったため、幼い頃から不思議な体験はしてきましたが…ここまでひどい体験は初めてでした。
聞けばその土地は、近くに古くからあるお寺を2分するような線路があり、霊感の強い人や信心深い人とは相性の悪い土地だったそうです。
今後住居を探す時は、土地のいわくも調べる必要があるな…と、強く思わされた体験でした。

1/1
コメント(1)
  • 他人からすれば、気のせいや思い込みで済む話でも、体験した本人には、不可解な存在や力が働いているとしか思えないことってありますよね。自分もほぼ同じ環境で、同じような体験をしたことがあるので、興味深く読ませてもらいました。

    2021/02/10/03:46

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。