輝く幸運の魚

私は子供の頃、とても綺麗な魚を釣ったことがあります。

何度か釣りを経験したことはあるのですが、今まで見たことがない魚でした。

全身は薄い紫色みたいな色あいで、尾ひれがキラキラ輝いている魚です。

私は釣った瞬間に、「綺麗」と感動しました。その姿はあまりに神秘的で、この世のものではないように見えました。

親戚のおじさんが釣りに連れていってくれて、それで私が釣った魚でした。

どうやらおじさんも知らない魚みたいで、おじさんは持って帰ろうとしていました。

ですが、私は可哀そうになり、なんとなく離してあげたくなりました。

だからおじさんが見ていない隙にそっと川に返してあげたのです。

魚はスイスイ泳いでいき、ちらっとこっちを見て、すぐに水中に消えていきました。

それからしばらく私には幸運がありました。

自動販売機の下で500円を2枚見つけたり、駄菓子屋で買ったお菓子がすべて当たりだったり、羅列すると小さな出来事でしたが、本当に幸運が続きました。

さらに母がやらせてくれた近所の福引で1等が当たったのです。温泉旅行が当たって家族みんな大喜びでした。

このすべてが見たことのない魚を逃がしたおかげとは限らないと思います。

しかし、そうでもおかしくないくらいの幸運続きでした。

福引なんていつもティッシュしか当たったことがなかった我が家には信じられないことです。

一つだけ悔やむとしたら、あの時期になぜ宝くじを買わなかったかということです。

少し欲深いかもしれませんが、もし宝くじを買っていたら、大きな幸運に見舞われたかもしれないと思ってしまうのです。