保健室のあきこちゃん
投稿者:ぴ (414)
私は持ち前の正義感から、昔虐められている子を庇ったことがあります。
だけどそのせいでターゲットは変わり、クラスでのけ者にされるようになりました。
本当に辛くって毎日泣きそうでした。
そんな毎日を過ごす内に、学校をサボるために、「体調が悪い」と嘘をついてよく保健室に通うようになったのです。
私のベッドの隣にはいつも別の誰かが寝ていました。
仕切られているので最初は誰がいるのか分からなかったのですが、ある日隣のベッドから急に声をかけられて、「体調悪いの?」と聞かれたのです。
私が「うん、まあ」と歯切れの悪い返事を返すと、相手はまた話しかけてきました。
こうして話す内に、相手の名前が「あきこちゃん」で、私よりも1学年上の学生だと知ったのです。
それからたまに私たちは仕切り越しに話をするようになりました。
虐められていると私が打ち明けたら、あきこちゃんは「私も虐められてた」と自分の話もしてくれました。
あきこちゃんはいつも私の話を親身に聞いてくれ、励ましてくれて、すごく優しくていい子でした。
だからあきこちゃんのアドバイスに従って、私は保健室の先生に自分が虐められていることを打ち明けられたのです。
そこから私はクラスではなく、別の教室に通うようになりました。
吐き出せてすごく楽になれたし、そこからいじめ問題は解決に進むことになりました。
そこで私は保健室のあきこちゃんが助けてくれた話をしてみたのですが、探してもあきこちゃんは見つかりませんでした。
保健室の先生ですらあきこちゃんの存在を知らなくて、それどころか「あきこちゃん」という在籍中の生徒は学校にいなかったのです。
今思い出すとあきこちゃんと私はいつも白い仕切り越しに話をしました。
声はしたけど、相手の顔は一度も見たことがありません。
さらに保健室の先生がいうには毎日保健室のベッドで寝ている子なんていなかったと言ったらしいです。
だったら私が虐めの話を打ち明けた相手はどこの誰だったのでしょうか。
私のいじめ問題は勇気をもって打ち明けたことで解決しました。
すべてはあきこちゃんのおかげです。
あきこちゃんはもしかしたら生身の人間ではなく、過去にいじめを苦に自殺した子供の幽霊だったのかもしれないと私は思っています。
どちらにせよ私はあきこちゃんに救われました。
あの地獄のような虐めの日々から抜け出せたのはあきこちゃんのおかげです。
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