隣から
投稿者:八尺マン (46)
短編
2022/06/19
23:15
1,977view
これって店員さんに言った方がいいのかな?
「はい・・・! はい・・・!! 申し訳ありません! 申し訳ありません! もうすぐです! もうすぐすべて終わりますからぁあああ! だから、許してぇぇぇ!!」
絶叫が響いた
「いや、さすがにヤバいだろ!」
俺は個室から飛び出し、隣の個室をノックした
「おい! 大丈夫か?」
しかし、返事がない
俺は仕方なくドアを開けた
だが、そこには誰もいなかった
確かにここから声がしたのに
どういうことだ?
「あの・・・。どうかされましたか?」
茫然とする俺に店員さんが声を掛けてきた
俺は今起きたことをありのままに話した
すると、店員さんは急に小声になって
「申し訳ありません。すぐに席を変更致します。また、本日のご料金は結構ですので」
と言ってきた
何だか慣れた対応に見えた
店員は隣から聞こえてきた声について何か知っているのか?
俺はさらに聞いてみたが、答えてくれない
それでもしつこく聞いてみると、迷惑そうな顔をして
「もう何年も前のことです。実害はありません。どうかご内密にお願いします」
とだけ答えて、逃げるように去っていった
俺はそのまま家に帰って、そのネットカフェのことを調べてみた
すると、過去にあの場所で自殺があったことがわかった
心が病んでしまったサラリーマンがネカフェの個室で自分の手首を切って死んだようだ
あのザクッ、ザクッという音は自分の手首を切る音だったのだ
前のページ
2/2
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 7票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。