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不思議体験

ぴさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

襲われた動物たち
長編 2022/06/12 20:55 3,573view

そんな様子を見て、これ以上黙っていられなくなりました。

今思うと私はきっとその飼育員の子に淡い恋心を抱いていたんじゃないかと思います。

その頃は自覚はなかったけど、気づいたらその子のことを目で追いかけていました。

だからその日、私は真犯人を見つけてやろうと思って、その場を見張っていたのです。

そしたら飼育員の子と鉢合わせてすごくびっくりしました。

辺りは真っ暗になっていて、どう考えても小学生がいる時間ではありません。

お互いに顔を合わせて、「え?」てなりました。そして犯人と勘違いされら困ると思って「(犯人は)私じゃないから」と必死で言うと、相手も「僕も(犯人とは)違うから!」と必死に言い合いました。

そうこうしていたときに私は飼育員の男の子の後ろを横切る何かを見て、ぎょっとしました。

それは何か小動物のような素早い動きで、動物の飼育小屋に向かっていったのです。

二人してはっとそちらを見たら、それはすばしっこいたぬきを一回り小さくしたみたいな見た目でした。

しばらくしてイタチと分かりました。

はっきりすぐには何かは分かりませんでしたが、完全に今まで動物を襲っていた犯人はこいつだと私は思いました。

そこで慌ててその動物を追い払おうと一歩踏み出したのですが、急にイタチの様子がおかしくなりました。

飼育小屋の動物を襲う前に、変な鳴き声を上げ始めたのです。

「ギャギャギャ」みたいなとにかく切羽詰まったような声でした。

驚いて飼育員の子と様子を伺ったのですがイタチの周りには何もいません。

なのに、急に苦しみ始めてノタウチ回ってその場で何か必死に抵抗しているように見えました。

なんというかイタチが何かに襲われている状態かのような反応で、苦しみ出してびっくりしました。

普通イタチなどの危険なものが近づいてきたら、飼育小屋は一気に騒がしくなると思います。

しかし、その場はシーンと静かで小屋の動物たちは静かにイタチのほうを静観しているように見えました。

そしてイタチは途中で力尽きたかのようにその場に倒れてぴくぴくし、しばらくしたらぴくりとも動かなくなりました。

私ははっきり言って何が起こったのかさっぱり分からなかったです。

ただ目の前で、一連の事件の犯人だろうイタチが死んでいくのを見ました。それだけです。

ただ飼育員の子には別のものが見えていんたのかもしれません。

私の隣で、飼育員の子が「ピッピ?」と声を漏らしたのです。

それに対して、「コッコッコッコ」と目の前で鳴き声がしたのを私は聞き逃せませんでした。

まるでそこに数日前に死んだはずのピッピがその場にいたかのように、ピッピ特有の鳴き声でした。

しばらくしたら飼育員の子が隣で泣いていて、私はそっとそれを慰めてあげました。

翌朝には飼育小屋の前で大きなイタチの死骸が見つかって、そしてこれまでの襲われた動物たちの犯人が見つかり、この事件は解決しました。

大人たちは犯人がイタチと分かったことで、すっきりしたようでした。

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