呪われた畑
投稿者:レミオロメ (4)
短編
2022/06/05
07:12
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母の実家は農家で、叔父が米や野菜、果物など出荷用・家で食べる用さまざまな作物を育てていました。
毎年順調に作物は育ってくれましたが、伯父にはどうしても気になる点があると言うのです。
それは畑のある一角だけ作物が育たず枯れてしまうことでした。
周りに木とかも無く日光はよく当たるので土が悪いのでしょうが、毎年良い肥料を使ったり土を他から持ってきたりしているのに毎年どうしても枯れてしまうようでした。
ジャガイモやナス、イチジクなど何を育てても枯れるので、伯父と叔母は「この場所は呪われているのかもね」などと冗談を言って笑っていたのです。
苗のムダなので結局その場所は空きスペースになったのですが、ちょっと興味を持った私は遠くの町の施設に入っている祖父にこのことを話してみました。
祖父はかなり高齢で痴呆が進んでいたので分からないかなと思ったのですが、何とこの話についてはしっかりと話してくれました。
「あの場所は使ったらダメだよ!昔知らない人がそこで首を吊ってたからね!」と言うのです。
何でも昔、そこにあった木にロープを吊るし、全く知らない人が死んでいたらしく、そのことは伯父や母には黙っていたようでした。
だから木が周りに無いのかと納得しつつ、本当なのかなと疑問にも思いました。
ただあまりに作物が育たないのでその可能性はどうにも低く無さそうです。
ちなみに私は供養のためにキクを一輪そこに植えましたが、翌日には枯れてしまいました。
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