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足が太いさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

アユミちゃんの家
長編 2022/06/01 12:03 3,576view
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女性が携帯で母に電話してくれて、それから30分くらいして両親が車で迎えに来てくれました。
女性とはそこで別れて、車で家に向かっている最中、母からは怒られ、父からは心配したと仕切りに言われました。
怒られているうちに(元はと言えばアユミちゃんが無理やりここまで連れてきたのに!)とイライラしてきたのです。
なので「私が1人であそこまで行ったんじゃなくて、アユミちゃんに無理やり手を引っ張られて連れてこられたの!」と言うと、母は「アユミちゃんに?それってどんな子?」と聞いてきました。
アユミちゃんについて詳しく説明すると、両親は私の気持ちを分かってくれたようで、それ以上怒られたり小言を言われることはなかったです。

翌日、学校が終わって習い事へ行くと、先生から「昨日は大変だったね、無事でよかった」と言われました。
どうやら両親は、夜になっても家に帰ってこない私を心配して、連絡先の分かるところには一通り電話していたようなのです。
習い事の先生のところにも話しがいっていたようで、先生からは「もう1人で夜遅くまで遊んじゃダメよ」と注意されてしまいました。

両親から先生に、どういう風に説明がいっているのか分かりませんが、「1人で」というところが気になったので、「違うよ、アユミちゃんと一緒に歩いてたんだよ。アユミちゃんの家に行くはずだったの」と言ったのです。

すると先生は「アユミちゃん?」と怪訝な顔をして「アユミちゃんって誰かしら?学校のお友達?」と言いました。
「アユミちゃんは違う学校の子で、ここにも来てる子だよ。今日は来てないみたいだけど」と答えると、先生はますます困惑した顔をします。
そして、「アユミちゃんっていう名前の子は、ここには居ないはずだけど…」と言ったのです。

アユミちゃんとは、あれ以来、再会することはありませんでした。
習い事の先生も、他の生徒に聞いても、誰も「アユミちゃんなんて子知らない」と言うのです。
だから私も気味が悪くなって、アユミちゃんのことは忘れることにしました。

今思えば、アユミちゃんはあの廃墟に住みつく幽霊か妖怪か何かだったのでしょう。
あのまま廃墟の中に入っていたら、どうなっていたことか。
考えるだけでも恐ろしいです。

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