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呪い・祟り

足が太いさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

私に呪いをかけてください
長編 2022/05/22 08:03 4,442view
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目が虚ろで、「B、どうしたの?」と、話しかけても返答しないのです。

Bは私を無視して、おぼつかない足取りで歩いていきます。

私はどうすればいいか分からず、戸惑いながらBの後をついていきました。

そして1時間程歩いて、街外れの古い家に到着したのです。

「B、知らない人の家だよ、入ったらだめだよ、やめなって!」

Bは私が止めるのも聞かず、人気のない古い家の中に入っていきました。

そして、家の中になぜかある井戸の中に入っていこうとしたのです。

これはさすがにまずいと思って、私は必死にBをビンタしました。

すると、Bの目の焦点が合い、「私、今まで何してたんだろう…。あれ、ここどこ?」と、不思議そうに周りをキョロキョロし出したのです。

Bに「あの部屋を出て、操られるみたいにこの家まで来たんだよ」と言うと、「頭の中で誰かがこっちに来い、こっちに来いって言ってて…」と、怯えたように体を震わせました。

井戸の中にもしかするとAがいるかもしれないと思って、スマホのライトで中を照らしたのですが、枯れた井戸の中には誰もいません。

このまま、ここにいるのは怖いので、正気に戻ったBと一緒に私の家に帰りました。

そして翌朝、Bの知り合いという霊能者の人と会うことになりました。

Bが「Aが言ってたように姿見があって、その前で『私に呪いをかけてください』って言ったらあんな風になっちゃった。本当に呪いがかかってるかもしれない」と、怖がって、知り合いの霊能者に電話で相談したからです。

昼頃にBと共に霊能者さんの家に行って、詳しい事情を説明すると、霊能者は「取りあえず2人のお清めをしようか。Bちゃんは念入りにしておくね」と言って、お清めをする専用の部屋に案内してくれました。

30分程、祝詞のような言葉を聞いて、清めの塩を体にかけて、お清めは終わりました。

私もBも、何だか体がから重たいものが剥がれたように、スッキリしました。

それから霊能者さんは「Aさんという方は、多分、呪いがかかったままあの世とこの世の狭間の世界を彷徨っているんだと思う。時間が経って呪いが薄れたらこの世に戻ってこれるだろうし、そうじゃない場合もある」と言ったのです。

私に関しては「扉の前に居ただけだから呪いの影響はない」、Bは「実際に呪いをかぶってしまった。きっとあの井戸が、あの世とこの世の狭間への入口なんだろうね。定期的にお清めをしたら大丈夫」とのことでした。

そんなことがあって、今で数年経ちますが、未だにAは見つかっていません。

Aの家族や警察にも事情を聞かれたので正直に説明しましたが、信じてもらえませんでした。

あの後、何度か井戸のある古い家に行こうとしたのですが、道は覚えているのに辿り着かないのです。

例の401号室も、いつの間にかマンションが取り壊されたことにより、行けなくなりました。

Aは、いつまで、あの世とこの世の狭間の世界を彷徨うことになるのでしょうか。

あのマンションの401号室は、誰が、何者が用意したのでしょうか。

そして、あの井戸のある古い家は、どうして行けなくなってしまったのでしょうか。

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コメント(2)
  • 夜中にスマホライトって

    2022/05/22/10:25
  • 部屋から30分出てこないって、普通それだけでもおかしいと思いますよね?30分て相当長いですよ。

    2022/07/04/09:10

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