峠道に現れるスーツ姿の男、と…

市街地で軽く夕食を取り、飲み物やお菓子を買って夜のドライブの開始。

1時間ほど走ると海沿いに出た。

夜だからほとんど見えないけど、ところどころにある漁港は外灯に照らされて綺麗だった。

休憩がてら立ち寄った漁港には、土曜日だからか夜の20時でも数人の釣り人がいた。

気さくそうなおじさんに声をかけると、どうやらアジが面白いくらい釣れるらしく、釣り竿を貸してもらって1匹ずつ釣ることができた。

どこから来たのか、どこへ帰るのか聞かれ、ここから3時間近く海沿いを北上しＸ県まで行くと伝えた。

するとおじさんは怪訝な表情を浮かべた。

おじさんの言い分を説明する前に、ルートを細かく説明する。

・Ｙ県市街地より東側に走り、まずは海岸沿いに出る。（現在地）

・そこから海沿いのＡ峠を越えると、一度小さな町に降りる。

・その街を抜けてＢ峠を越え、大きい港町に出る。

・その港町を過ぎるとＸ県に入り、そのまま1時間ほど北上し自宅付近に到着。