峠道に現れるスーツ姿の男、と…

見なきゃよかったと今でも後悔している…事故の瞬間、無数の子供の叫び声が入っていた。

一番怖かったのは、例のもやがかかったトンネルの中、俺にはスーツの男しか見えていなかったはずが、10人ほどの子供が、トンネルの壁に幾度となく頭を打ち付けている姿があった。

後日、たまたま会社にY県出身の先輩がいて、あのトンネルのことを聞いてみた。

曰く、数十年前に、遠足で走っていた小さなバスが事故を起こしたらしい。

運転手は心中のつもりか、猛スピードでトンネルの壁に激突。

園児たちはシートベルトもせず、座席にも座らずはしゃいでいたらしい。

真偽は不明だが、こういう話で”辻褄が合う”ってのは、かなり堪えたよ。