実は1体だけじゃなかった幽霊
投稿者:レイレサ (64)
これは知人から聞いた話である。
知人の職場には霊を極端に恐れる男性社員がいる。
彼がなぜ極度に心霊現象を恐れるのかは知人も知らない。
ただ、こんな話を聞いたことがあるそうだ。
知人の職場の男性社員を木山さん(仮名)とする。
木山さんは誰とでもすぐに仲良くなれるような社交的な人物らしい。
コミュ障の知人ですらすぐに仲良くなってしまったそうだ。
その木山さんはある日、憂鬱な顔をして出社してきた。
知人は木山さんにどうしたのかと尋ねてみたが返事が返ってこなかった。
心配して声をかけたのに返事がないので少し嫌な気分になったとのことだ。
3時間くらい経ってから木山さんが職場の先輩と何か深刻な相談をしている姿を目撃した。
その先輩は霊的な話に詳しいらしく、誰にでも仲良く会話できる木山さんがあまり人に話したがらない話はそれなのかと理解した。
こっそり盗み聞きは悪いと思いつつも、詳細が気になった知人は物陰に隠れてこっそりと聞いてみることにした。
木山さんが夜中に自宅で寝ていたところ、若い女性の甲高い笑い声が聞こえて金縛りに遭ってしまったそうだ。
金縛りはすぐに解けたし、幽霊の姿を見ることはなかった。
どうしていいのか分からずに霊的な話に詳しい先輩に聞いたところ「盛り塩が良い」というアドバイスを貰ったようで、さっそく次の日には皿に山盛りの盛り塩を作って寝室に置いたらしい。
それからは何事も起きずにずっと平和な状況が続いていた。
しかし、問題が発覚した。
木山さんに職場の異動の話が舞い込んできてしまい、違う部署に異動になってしまった。
で、問題はそこからだ。
異動先の部署には先輩よりもっと霊的なことに詳しくて感じられる人が居た。
その人が木山さんの噂話(自宅に若い女の霊の声が聞こえた話)を耳にした際に軽く霊視をしたらしい。
その時におやっと思ったそうだ。
話で聞いていたのは若い女の霊だけだが、実際に霊視してみると若い女の霊も視えたが、もう1体見えたという・・・。
もう1体は小さな子供の霊らしい。
しかも、若い女性の霊とは親子関係だという。
怖がりの木山さんには本当のことを告げずに、木山さんの同僚にこっそりと霊視をした話をしたそうだ。
その同僚があっちこっちに話をしたせいで、木山さんの耳に入ることはなくても、周囲の人の多くがその事実を知ってしまうこととなった。
木山さんの考えは、自宅には若い女性の霊は居たが、盛り塩を置いたおかげで霊が消えたと思い込んでいる。
残念なことに、視える人にはまだ霊が居座っていることと、霊が1体だけではなくて2体も視えてしまっていることだ。
盛り塩って既に居る霊には囲ってしまう定期