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心霊

うえすたんさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

撮れてしまった心霊写真
長編 2022/04/26 07:29 2,104view

私が小学4年生のときに日光へ遠足に行きました。
同じ県内なので家族と行ったことがある子もいて、場所自体にはそこまでテンションが上がりませんでしたが、友達と一緒ということでみんな楽しみにしていました。
私も何度も家族と行ったことがあるので、「また日光か」くらいの気持ちでいました。
ただ、特に男子が楽しみにしていたのが心霊写真です。日光の中禅寺湖と華厳の滝は自殺スポットとして有名で、年上の兄弟がいたり親から聞いたりした男子が「心霊写真撮りたいな!」と息巻いていました。

私も心霊写真を撮れるのではないかと楽しみにしていました。
その頃、心霊番組が多く放送されていて、一般人の心霊写真をプロが鑑定してお祓いをするというコーナーがあり、周りもみんな見ていたので「撮れたらテレビに出せるかな?」と話していました。

そして、日光に着きました。ベタに最初は東照宮を周ってクラス別に観光しました。
何度も見ている子もいるのでみんなそこまで楽しそうにしていませんでした。
ただ、友達と一緒で学校の勉強ではないので浮かれている子も一定数いました。
みんなが楽しみにしていたのは、やはり班別行動です。
事前に学校で組んだ班で分かれて観光するものです。私もこれが楽しみでした。
仲のいい友達と一緒の班だったので、バスの中から楽しみで、どんな写真を撮ろうかとずっと話していました。

いざ、班別行動です。コースは決まっていて、みんな同じルートをたどって終点の華厳の滝まで行くことになります。
また、「ここで写真を撮るように」というポイントがあり、先生からはんこをもらって進まなければなりません。
それでもほとんど自由行動のようなものなので、みんなはしゃいでいました。私もその一人です。
同じ班の子たちとわいわいしながら何枚も写真を撮っていました。
当時は写ルンですを各班1つずつ支給されていたので、枚数を一気に撮ってしまうと最後のほうが撮れないので、計画的に写真を撮っていました。
ポイントごとに撮る分と、自由に撮る分とを考えて私達も写真を撮っていました。

途中で友達に「ここで写真撮ろうよ!」と提案し、同じ班の子に撮ってもらいました。
別に写真映えする場所でもないし、写真を撮るポイントでもありませんが、急に撮りたくなったので、そこで撮ってもらうことにしました。
休み時間にトイレに行くときでも手をつないで行動する私達なので、写真も手をつないで撮ろうとしました。
しかし、タイミング悪く私は手を自分で握った状態、友達は手を開いた状態でした。
「まあいいや」と気にせず次のルートに行きました。写真を撮った場所は中禅寺湖の周辺です。
もちろん学校で指定されたルートなのでみんな周辺のどこかで必ず写真を撮ります。

また、その場所は鬱蒼とした雑木林の中で、あまりいい空気の場所ではありませんでした。
周辺はどこもそんな空気の場所ばかりなので、全体的にどんよりとしていました。

そして終点の華厳の滝に着くと、先に着いていた他のクラスメイトたちが「心霊写真撮れるかな?」とたくさん写真を撮っていました。
先生も「はしゃぎすぎてカメラ落とすなよ」と軽く注意したくらいで、一緒に写真を撮ったり撮ってあげたりと楽しそうな空気が流れていました。
私達の班も同じように心霊写真が撮れるかどうか、残りの枚数を使って写真を撮りました。

そしてカメラは学校で回収され、2週間後に現像されたものが各班に配られました。
「こんな写真撮ったなー」と2週間前のことなのに、みんな懐かしそうに写真を見ていました。
私達も写真を見ていて、自分が写っている写真を確認していました。
その中に私と友達が写った例の写真がありました。
「ちゃんと撮れてるね」と話していたのですが、その写真に違和感がありました。
タイミング悪く握ってしまった私の手から、青白いすらっとした腕が出ていたのです。
もちろん私達しか写っていません。仮に誰かと心霊写真ごっこをしたのであれば、腕から出ているのは子どもの手です。しかし、写っていたのは大人の女性の手でした。

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