真夜中の出来事
投稿者:とくのしん (65)
私が大学生の頃の話です。
当時、車好きの友達AとBとよくツルんで遊んでいました。
頭文字Dが流行していたこともあって、走り屋気取りのようなことをしていたものです。
ある日、AとBと揃って近所の学校の駐車場でドリフト練習をしていました。
土の青天駐車場ということもあって、ドリフト練習にもってこいでした。
1時間程遊んでいると、遠くからトラックがこちらに向かってくるのが見えます。
休憩をしていた私とAがBがドリフトをしているのを眺めていたのですが、そのトラックはまっすぐにこっちに向かってきます。
「なんかこっちに向かってきてるよね?」
とAと話していると、まっすぐ駐車場に入ってきました。
気持ちよくドリフトしていたBの車にぶつけるようにトラックは接近してきます。
慌てて私とAは車に乗り込みました。
私が先頭になりAとBを先導して逃げ出します。
トラックはしばらく追いかけてきましたが、こっちはスポーツカー3台、真夜中ということもあり振り切ることができました。
トラックが追いかけてこないのを確認し、田んぼ道をまっすぐ進みます。
突き当りの住宅街に差し掛かるT字路を左折し、とりあえずその先の無人駅で一息つこうかと考えていた矢先。
対向車線側の側溝に人が倒れているのが視界に飛び込んできました。
私が車を停めて、後ろの2台に向かっていくとAが
「人!人だよな!?」
と私が言葉を発する前に叫びました。
一番後ろを走っていたBは「人?」みたいな感じできょとんとしていましたが、Aは人が倒れている!と焦っていました。
とりあえず見に行こうかと思った瞬間、急に2人が車に乗り込みました。
それを見て私も車に飛び乗り、その場から逃げ出しました。
2人を連れてすぐ近くの無人駅に車を停めて、なんで車に乗り込んだのか訊くと「Aが急に」「Bが先に」「私くんが一番に車に乗り込んだ」と3者3様の食い違う話が飛び交いました。
それはいいとして、さっきの倒れている人を放ってはおけないだろということになって、現場に戻って救急車を呼ぼうという話になりました。
私とAは作業服を着た50前後の男性がうつぶせに倒れているように見えましたが、Bは人だったかなんだかわからないと言っていました。いずれにしろ人であるならば、深夜2時過ぎに側溝に倒れこんでいるなんてことはどう考えてもおかしいとすぐに戻りました。
離れた現場に戻るまで10分もかかっていません。
にも拘わらずそこに男性の姿はありませんでした。
見間違い?私だけが見たのならばそれも納得できますが、Aが私を全く同じものを見ていたので、間違いなく人だと言い切れます。
3人で近くを散策しましたが、その人はおろか人らしいものも見つけることができませんでした。
するとそこに一人の女性が歩いてきました。
歳は40~50代でしょうか?こっちに向かって歩いてきたので「すみません、ついさっきここに人が倒れていたんです。気になって戻ってきたのですがいなくなってて。何か知りませんか?」と尋ねると「さぁ?」とそっけなく答えます。
「背格好はこんな感じで。近所の方にそんな人いませんか?」と聞いても「さぁ?」としか答えません。
こえー
なんだか凄いリアリティを感じる話
最初のトラックは何なのかな?
トラックどこ行ったw