T村のT病院
投稿者:GENGO (32)
短編
2022/04/07
00:27
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廃病院の前でしばらく動けないでいたA氏だが、
そこにとどまっていてなにがどうなるわけでもない。
戸惑った気分のままバイクを始動して帰路に就いた。
実家に着いたA氏は、その日の夜にそれとなく母親に言った。
バイクで山を越えてくる途中でT村というところを通ったと。
母親はノーリアクションだったが、瞬間的に表情が消えた。
それは廃病院の前で脳裏に浮かんだ、あの女性の
能面のような表情と似通った何かが感じられた。
あ、あの女性は親戚か何かだ、とA氏は感じた。
それだけの話だがA氏は
もう二度とT村へ、T病院へは行かないほうがいいと
感じたそうだ。
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母親は何を知っているんだろう