クレームメールの送り主は誰だ?
投稿者:レイレサ (64)
ある企業で事務職をやっていた人から聞いた話を紹介する。
少しフェイクは入れてある。
数年前にある企業を寿退社した松井さん(仮名)。
彼女は買い物が趣味である。
コンビニ、ドラッグストア、100円ショップ、ホームセンターや雑貨屋など、休日には時間が許す限りウィンドウショッピングをするらしい。
ある時に少し嫌な光景を見てしまったのだという。
100円ショップのレジに並んでいた時のことだった。
店員にギャーギャー大声で文句を言っている年配の男性客が居た。
少し距離があったので最初は男性客の顔は見えなかったが、領収書がなんとかかんとかという内容で何か文句を言っていたので、どうやらクレームが発生したらしい。
クレームを入れている男性客がレジから離れて店内をうろつきながら、どこかに大声で電話をしていたのだが、従業員の名前をフルネームで電話の主に話しているのだ。
おそらくは店舗責任者へ電話で苦情を入れたのだろう。
松井さんの近くまで歩いてきた男性客の顔を見た瞬間に知ってる人だと理解した。
向こうも松井さんの顔を見た、しかしその瞬間少し男性の顔色が悪くなった。
クレームを入れていた男性客は同じ会社の部署は違うのだが、会社内でも有名なパワハラ上司だったのだ。
このパワハラ上司は会社の人間に対してだけではなくて、他の場所でもクレームを入れていたのか。
日頃からどれだけ人に嫌がらせすれば気が済むのだろうか。
松井さんは何となく弱みを握ったような気がした。
相手は逆に弱みを握られたと思ったようだ。
松井さんは次の日に出勤した際に仕事の先輩に100円ショップで見たことを全て話した。
先輩は「またか・・・」とため息を漏らした。
先輩の友達がドラッグストアでパート勤めをしているのだが、友達がレジ当番の時にクレーマーがぶち当たってしまい、ネチネチ言われてしまって心が弱ってしまったらしい。
そのクレーマーこそが、あのパワハラ上司だったのだ。
松井さんは先輩の話を聞いて気分が悪くなった。
松井さんの母親はスーパーでレジ打ちパートをやっているからだ。
母親が絡まれないように祈るばかりだった。
ところが、事態は急変した。
会社のお客様相談室にメールで苦情が来た。
フリーメールのアドレスで、身元を伏せてのクレームだった。
メールの内容を確認すると・・・そちらの会社の従業員へ苦情を入れたいといった内容だった。
その人は店内をうろつきながら大声で従業員の名前をフルネームで叫んでいる。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。