クレームメールの送り主は誰だ？

レジで店員に言ったクレームと店舗責任者へ電話をした際のクレームの内容が違う。

どうしても納得がいかない、というような内容だった。

松井さんは先輩にメールを見せた。

いつかこういう内容のクレームメールが来るんじゃないかと先輩は感じていたそうだ。

しかし、気になることがひとつある。

なぜ、このメールの送信者はクレーマー男性がこの企業に勤めていることを知っていたんだろうか？

先輩が少し笑っていた。

まさか。

先輩が友達にクレーマー男性の勤め先が同じ会社であることを教えてしまったのではなかろうか？

それとも、もっと別の誰かが偶然クレーマー男性の勤め先を知って苦情のメールを入れたのだろうか？

下手に関与すると後々厄介なことに巻き込まれると困るので、先輩に追求はしなかった。

松井さんはクレーム担当の上司にクレームメールの件を報告すると、上司も「またか・・・」と言っていた。

先輩の友達の件は上司の耳にも入っていたらしい。

もうクレーマー男性の悪事はいろいろな人の耳に入っているのかもしれない。

そのうち松井さんは寿退社をすることになり、会社と縁が切れたことで時折このクレームメールの話を誰かにしているのだという。