川の神様か幽霊か
投稿者:KIRIRI (5)
これは、私が小学校の低学年くらいのときの話です。
当時、私は習い事で体操教室に通っていたのですが、そこでは夏になると、他の教室の子たちと合同でキャンプをするのが年に一度の恒例行事でした。年齢も様々な子たちが集まって山に行き、川遊びやキャンプファイヤーをするので、いつもは会えない友達に会えるのが嬉しくて毎年楽しみにしていました。
その年もキャンプに来た子たちと川遊びをしていると、いつの間にか知らない子が遊びの輪に混ざっていました。当時の私と同じくらいか、少し年下くらいの見た目の男の子です。(誰だろう?)と思いつつ、まだ10歳にもなっていなかった私は遊びに夢中になり、そんな疑問はすぐに忘れてしまいました。その男の子は地元の子だったのか、深く潜れるポイントや登って遊べる岩場など、川のことをよく知っていたので、一緒に遊ぶのがすごく楽しかったのを覚えています。
そうこうするうちにキャンプ場に戻る時間になりました。先生たちに促されながら片付けをしてバスに乗り込み、ふと窓の外を見ると、さっきまで遊んでいた岩場に男の子が立っていて、じっとこちらを見つめています。(やっぱりこの辺の子だったんだ)と思い、隣の席の子に「あの男の子、来年また会えるかな?」と言うと「誰のこと?」とキョトンとされてしまいました。一緒に遊んでいた他の子にも聞いてみたのですが、そんな子は知らないと口を揃えて言うのです。
もうあの子の正体を確かめる術はありませんが、川の神様だったのか、それとも幽霊だったのか…。いずれにせよ、今でも怖い印象は全くないので、子供時代のちょっと不思議な思い出として私の中に残っています。
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