猫に助けられた僕
投稿者:ぞい (15)
短編
2022/03/20
01:26
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僕が小学生の時、野良猫を拾ってきて、しばらく飼っていたんですが、三年くらいして真冬に車に轢かれてしまったんです。
当時は室内飼いではなく、外に自由に出していたので、家の前の道路で、轢かれていました。
近所のおばさんに「道に轢かれている猫いるけど、あんたんとこの猫じゃないの?」と言われて見に行ったら、飼っていた猫でした。
数時間経っていたせいでガチガチに凍っていました。
庭が広かったので庭の一角に埋めて、木に「猫の墓」と書いてお墓にしました。
僕が中学生になり、熱を出して寝込んだことがありました。
親が仕事を休めずに、僕は1人で布団で寝ていたんです。
和室で、掛け軸がある床の間で寝ていたんですが、「バタバタバタ」と音が聞こえてきました。
「ああ、猫が走っているな」
僕は熱に浮かされながらその音を聞いていると、床の間の掛け軸が揺れているのがわかりました。
死んだ猫がよく掛け軸で遊んでいたように揺れていました。
そのまま僕は眠ってしまい、目が覚めると病室にいました。
肺炎を起こしていて意識が失くなり、2日間昏睡状態だったと聞きました。
親の職場で猫が集まって一斉に啼いていたそうで、不安にかられた親が家に帰ってみると意識を失った僕を見つけて病院に運んだそうです。
死んだ猫が僕を救ってくれたんだと思っています。
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