元彼の策略

Aさんは理由を聞いたがHは「僕もいっぱいいっぱいの状態だからもう無理」とだけ返事が来たそうだ。

その次の日にHのリアル友達からAさんになぜかメールが届いた。

内容はこうだった。

「よかったら僕と一緒にお茶でもしませんか？」

Aさんは振られた直後なのになぜHのリアル友達からお茶のお誘いがあったのか疑問に感じた。

当然ながら「悪いですが、Hと別れた直後なのでお断りします」と返事したそうだ。

SNS友達になぞのメールのことを相談してみると「それはHの策略じゃないか？」とのことだった。

自分から振っておき、相手の気持ちがまだ冷めないうちに友達に説得させて寄りを戻させるように仕向けるという。

そうすればAさんを自分の思い通りに動かせることが出来る、自分の立場が有利になるというわけだ。

Aさんはまさかと思った。

そんな手の込んだことわざわざするのも面倒ではないのか？

友達を巻き込んでそんなことをなぜするのか疑問だった。

しかし、SNS友達は続けてこう言った。

「私の知り合いで似たような手口で嫌な目に遭った子がいたの」

「その子も彼氏に振られたんだけど、振られたショックを引きずっていた」

「傷が癒えないうちに彼氏の友達が根回しをして今ならまだ間に合うからすがってみたら？みたいに言われてそうしたらしいの」

「それで寄りを戻すことは出来たけど、立場的に弱くなってしまって彼氏の言いなりになってた」

「そのあとは見てて可哀相だった」

「Ａさんが私の知り合いの子みたいになったら気の毒だから、だからＨのリアル友達と連絡したり会うのは辞めた方がいい」

Ａさんは困ってしまった。

Ｈがそのようなめんどくさいことをしてくるのか疑問だった。

しかし、振られた次の日にＨのリアル友達からお茶のお誘いのメールも変な話だ。

Ｈのリアル友達にはもちろん彼女はいる。

彼女がいるのに、独り身になった女にお茶のお誘いするのもおかしな話ではある。

悩みに悩み、ＡさんはＨのリアル友達から再びお茶のお誘いのメールが来た際に「ごめんなさい、私もう新しい彼氏ができたので、異性と会うのを控えたい」と返事した。

するとＨのリアル友達から「振られた直後なのに早くないか！？」と言われてしまった。