勇気のなかった私に起きた恐怖体験
投稿者:小丘 (7)
私が高校生の頃の話です。私は、公共交通機関の少ない地域に住んでいたため毎日自転車で片道1時間かけて学校へ通っていました。卒業を控えた2月下旬、いつものように学校へ向かう途中細い路地におじいさんが倒れているのを見つけました。おじいさんは路地の真ん中にうつ伏せで倒れ、顔だけこちらを向けており一瞬目があった気がしましたが当時の私は誰かが助けてくれるだろうと思い自転車を止めることはなく登校しました。いつもどおりの学校生活を終え、帰る頃には朝の出来事などすっかり忘れていました。
2月は夕方になるとすぐに暗くなり街灯も少なく自転車のライトを頼りに自宅へ向かっていました。例の路地にさしかかろうとしたとき「ねえ」と耳元で男の人の声がして肩を叩かれた気がしました。自転車に乗っているし周りには人も車もない状況でしたが確かに聞こえたのです。一瞬で朝の出来事を思い出し、路地を見ないようにして一目散に帰りました。どうか気のせいであってほしいと思いながらも男性の声と肩を叩かれた感触が残り不安な一夜を過ごしました。
翌日は体調が悪いと嘘を付き親に車で送迎をしてもらい週明けに路地で倒れていた男性が亡くなったことを知りました。心臓が飛び跳ね、まるで自分が殺人をしたかのような気分になりしばらくは親の送迎で高校へ通いました。
今思えば、おじいさんを助けていればあんな思いはしなかったのかと反省もあり、なにか伝えたいことがあって声をかけたのかなと思いますが人を助ける勇気もなかった私には、恐怖体験だけが思い出になっています。
これはトラウマになりそう…
声を掛けてあげるべきでしたね
次に同じようなことがあったら声をかけてあげてください