10年くらい前に体験した少し怖い話。
あれは朝の5時頃だったと思う。
早朝というのに、若者2人組の馬鹿騒ぎする声で目が覚めた。
騒ぐ声と一緒に聞こえてきたのは何かのボールが跳ねる音だった。
声とボールの跳ねる音が延々と続いていた。
家の近くにあるテニスコートからだった。
普段はこんな早くからテニスをする人なんていない。
おそらくは普段はここでテニスをしない若者達なのだろう。
それにしても、早朝5時は早すぎる。
まだ寝ている人だっているのに、なぜこんなうす暗い時間帯にテニスをするのか。
私は窓を開けてテニスコートの方を見た。
若者達は馬鹿騒ぎをしつつテニスをしていた。
私は何度か窓や網戸を開け閉めして存在をアピールした。
何度か繰り返したらようやく気付いたようだ。
若者達はしばらくこちらを見ていたのだが、そのうちまた馬鹿騒ぎをしながらテニスを再開したのだ。
私は腹が立った。
腹が立ったのは私だけではないはずだ。
近所の人だってきっとうるさいと思ったはず。
しかし、誰も行動を起こそうとしない。
見知らぬ人に注意して絡まれたら嫌なのだろう。
私は再び窓や網戸を開け閉めして存在をアピールする。
うるさくて眠れないからやめろという念を込めて網戸を開け閉めする。
するとまた若者達はこちらを見る。
そしてこんなことを言いやがった。
「あの人また何かやってるよ」
「そのうち諦めて寝るんじゃない?」
私はその言葉を聞いて嫌な気持ちになった。
早朝に音を出されては睡眠不足で仕事に集中できなくなる。


























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