謎のペンションで繋いだ手
投稿者:castaway (5)
私は友人とドライブに行った。人数は5人。
行き先は決めず思うがままに車を進めた。友人とのドライブは会話が弾んだ。
後部座席に座った私は会話に夢中になり外は見ていなかった。気付くと外は山の中。運転手は「道に迷った」と一言。
とりあえず降りて外を確認しようということでみんなで車を降りた。降りてみると近くに見たことのない気味の悪いペンションがあった。
すると1人の友人が「あそこに行きたい」と言い始めた。友人2人は拒否したため、私を含めた3人で行くことになった。
中は暗くとても気味が悪かった。正直なところ、とても怖かった。
みんな同じ気持ちだったらしい。そこで私を間に挟む形で3人で手を繋いでそのままさらに奥まで行くことにした。
奥まで行き、何もなかったため出口に向かった。すると奥の方で大きな物音が。おそらく何かが落ちたのだろう。私達は驚き出口に全力で走った。
出口を出ると車のところで友人3人が待っていた。「急いで帰るぞ」とみんなで車に乗りその場を去った。
友人1人が怖すぎて入口前で引き返していたことが発覚。「チキン野郎」のあだ名が付いた。帰り道はその話題で盛り上がった。
しかし、よく考えたら、入る前に引き返していたのなら、私が繋いでいた片手は何と手を繋いでいたのだろうか、と。考えただけで恐ろしくなる。なので考えるのはやめることにした。
その数日後、私は、仕事で右手の手首を骨折する労災を起こした。全治1ヶ月だった。
私は恐怖した。あろうことか謎の手を握った方の手だった。だがきっとたまたまだろうと自分に言い聞かせ、完治を待った。
その手首は現在も麻痺して動かない。
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