墓地の見える窓に現れる女性の霊
投稿者:足が太い (69)
生活費を浮かせる為に、同年代の友達A美と一緒に住むことになりました。
最寄り駅までは自転車で10分くらいかかりますが、3LDKで築年数が10年以内で綺麗なマンションです。
1つ気になったのは、リビングの窓から隣の敷地にある墓地が見えること。
でも、家賃は破格の4万円ですし、1人暮らしじゃなくて同居人もいるので、自分を何とか納得させてその部屋に住むことにしました。
私達の部屋は最上階の角部屋で、隣もすぐ下の階も今は誰も住んでいないですし、とくに変な住人はおらず、また、繁華街から離れていて墓地がすぐ傍にあるからか日中も静かで過ごしやすかったです。
異変が起こったのは、引越してから1週間くらい経った頃。
季節は冬で、昼間でも冷たい風が入っていて寒いので、墓地が見える方の窓を閉めていたんです。
カーテンまで閉めると部屋の中が暗くなるので、カーテンは開けたままでした。
A美も私もその日は仕事が休みで、私は窓を背にしたソファに座り、A美はその向いに座ってお互いネットを見たりして好きなことをして過ごしていました。
動画サイトを見ていて、面白い動画を見つけたので「ねぇ、これ見てよ」と、A美に話しかけると、スマホから顔を上げてこちらを見たA美の顔が、青くなったのです。
「どうしたの?」
「いや…」
「え?何?本当にどうしたの?」
「あの、後ろ、後ろに…」
「後ろ?…何もないけど?」
A美は私の後ろにある窓の方を指さして声を震わせながら、「おかしいなぁ、見間違い?」と、呟いたあと、「何か調子悪いから寝るね…」と言って自分の部屋にふらふらと歩いて行ってしまいました。
いつもは騒がしいくらい元気なA美のあんな顔は初めて見たのと、窓を見てもとくに異変はなかったので、この時はA美が体調を崩しただけだと思っていたのです。
しかし、A美は次の日からおかしくなってしまいました。
異様にリビングにある墓地の見える窓を怖がって日中でもしっかりカーテンを閉めたままにして、私が「ちょっとでも空気を入れ替えないと」と、窓を開けようとすると、「やめて!」と叫んで止めてくるのです。
そのうち自分の部屋から出て来なくなり、仕事もいつの間にか辞めてしまっていました。
一体A美はどうしたんだろう。
仕事が忙しいって言ってたし、精神的に疲れちゃったのかな?と、思って、A美の気持ちが落ち着くまで様子見をしていたのですが…。
A美がそんなことになってから数週間経った頃、夜に自分の部屋で寝ていると、ボソボソと誰かが話す声が聞こえてきました。
声の方向から察するに、リビングの方から聞こえてきます。
(A美かな?自分の部屋から出て、リビングに居られるようになったのかな。電話でもしてるんだろうか。)
そんなことを考えていると目が覚めてしまったので、水でも飲もうと思ってリビングの方に行ったんです。
でも、何だかおかしいんですよね。
A美は確かにリビングに居たのですが、墓地が見える方の窓を開けて、そちらを向いて何事か話しているんです。
「…A美、どうしたの?電話、じゃないよね?スマホ持ってないし…」
「ふふ、それでね、私も○○しようと思って、××したんだけど、でも上手くいかなかったの」
「A美?ねぇ、誰と話してるの?誰もいないよね…?」
「えっ?ああ、紹介するね。仲良くなったB子ちゃん。ずっとこの部屋に住んでいたんだって。今度一緒に○○しようって話してたの?」
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