呪いは実在する

ただ、最後の最後で本当に好きになってもらえたのは不覚にも救われた気持ちになる。

俺は目の前にいるＦ子に目を向けて不適に笑うしかなかった。

幽霊や呪いが実在するのかわからない。
今でも俺はその類いを信用してないし、Ｆ子以外に見たことがない。

ただ、幽霊や呪いといった不確かな影響が精神を害して幻覚を見せているのだと思う。
罪悪感で俺がおかしくなったんだ。

間接的にＦ子を殺した罪悪感。

Aは相合い傘を消した罪悪感。
M子は俺に呪いをかけようとした罪悪感。

罪の意識がＦ子の幻覚を見せているのだろう。
そう思うとＦ子の呪いは実在すると言っても正解だろう。

なあ、Ｆ子。

俺はこれからお前にどう償えばいい？

俺は徐々に近づいてくるＦ子の浮腫んだ顔を見つめながら、ただ動けずにいた。