マッチを擦る霊の思い出
投稿者:ぴ (414)
全然怖くはないのですが、不思議な体験を思い出したので書いてみます。
私が小学生の時のお話です。
夏休み恒例の子供会の旅行に行く事になりました。
大型バスの中ではカラオケ大会あり、ゲーム大会ありでとても楽しい道中でした。
大きな幹線道路から離れるとバスは徐々に徐々に山の奥深くに入っていきました。しばらくすると大きな、そしてとても古風な悪く言えば古い旅館の前でバスは止まりました。
「さあ、着いたよ。降りて降りて!」役員のおじさんに促され旅館に入るとそこはまさに純和風の旅館でした。ロビーには鎧兜や大きな額縁に入ったダルマが描かれた水墨画。部屋に案内される途中さほど大きくもない池に橋がかかり、そこを渡って行かなければなりませんでした。
子供ながらにすべてがなんとなく気味の悪さを感じていました。
荷物を置いたら早速ハイキング、アスレチックと気味の悪さなど忘れて夢中になって遊び旅館に戻った頃にはもうへとへとでした。夕食は派手に宴会、と言っても子ども会なのでジュースで乾杯でしたが。
食後には温水プール、ゲームセンターではしゃぎまくり部屋にもどると部屋の不気味さを感じる間もなく皆んな爆睡でした。
どれぐらい時間が経ったでしょうか?何かの気配に目を覚ますと他の子供達はスースー寝息をたてて眠っていました。
目を覚ましてしまった僕は蒸し暑さと部屋の気味の悪い雰囲気に中々寝付けづにいました。やっとウトウトし始めたその時でした。
マッチをする音に目が覚め、音がした方に振り向くと窓の障子の向こうがふわぁーっと明るくなって暫くするとまた暗くなりました。
誰がこんな時間にマッチなんかすってるんだろう?迷惑な奴だと考えながら障子を思い切り開くとそこには誰の姿もなく静かに雨が降っているだけでした。
そうか、そう言えばこの部屋は橋を渡った先の階段を2階分上がった3階だったっけ、、、、。じゃああれはなんだったの?
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