嫌なオーラを放つ空き家と人形のモヤ
投稿者:ゼロ感 (9)
私が30代の時、僻地へ転勤となりました。
ものすごい山道で、道という道がないようなところを車で片道1時間半。
小さな工場のような建物が見えます。そこが私の新しい仕事場です。
田舎の山奥なので日が沈むのが早く、18時でも夜中のような真っ暗で辺りは静まり返っています。
転勤から3ヶ月が過ぎ、新しい仕事場にも慣れてきた頃です。
18時を過ぎて暗い山道を帰宅途中、山道を下っていたら左に黒い人型のモヤモヤが見えました。
急いで車を止め、バックミラーで確認しましたが誰もおらず、ただの見間違えだということにし、少し気になりつつもそのまま帰宅しました。
翌朝、仕事が休みだったため運動がてら歩いていつも通る山道を歩きました。
昨日モヤモヤが見えたところを散策すると、廃墟のような空き家がありました。
あの昨日見たモヤのような、オーラのようなものを直感的に感じた理由がその時分かったような気がしました。廃墟のようなその空き家は何十メートルも離れたところから見ただけですが、とても近寄りがたい
オーラを放っていました。近くには草木が生い茂り、一歩でもあの空き家に近づくとその草木の中からなにかが出てくるのではないかと思わせるような佇まい。
後日、あの仕事場に何年も勤務しており、同じ通勤路を通っている先輩に空き家の話をしましたところ、
「ああ、あそこ前に住んでいた人が自殺して廃墟になったところだよ」と。
あの後もあの空き家前を通る際には少しスピードを上げ、モヤを振りきるようにして通行しています。
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