予知と肝試しと悪寒の話
投稿者:赤壁二世 (13)
C子とAが無理に話題を作り皆の気を紛らす後ろで、俺はMの忠告を思い出していた。
橋の下には行かないでね。
子供に気を付けてね。
橋の下に行ってしまった事を後悔しても手遅れだと思いながらも、俺は、Mが橋の下に行ってはいけないと言った意味をすふ理解することになった。
あああああああ
再び、不気味な絶叫が全員にハッキリと聞こえた。
Aは何度もA姉に電話をかけ繋がらないことに舌打ちを繰り返し、D子はC子の腕にしがみつきながら茂みの方を指差し、
「ねえ、今なんかいた!?」
と声を上げたことで、全員が茂みに顔を向け耳を傾ける。
ガザザ…
そよ風か小動物か、揺れ動く葉を見て生唾を呑む。
お調子者のBもさすがに緊迫した雰囲気に充てられているのか、表情が強張り眼孔が鋭い。
「ちょっと見てくるわ」
だが、元々度胸があるBは自分を奮い起たせるように気合いを入れて偵察に赴く旨を宣言し、足場に転がる手頃な枝を拾いあげた。
軽く素振りをし空気を裂く乾いた音が耳に残る中、Bは枝の先端で藪をつつき始める。
「気を付けろよ、B」
そう言うとAも武器が欲しかったのか足元に枝がないか探していた。
木の枝を白杖のように使って茂みをかき分けて奥へと進むB。
まさか突然Bが襲われて消えるなんて事はないよななんて考えていると、暫くしてBが茂みから姿を覗かせた。
「何もいねえ」
俺達の不安は的中することはなく、どうやらただの風の悪戯だったようだ。
Bは俺達の視界に留まる範囲で藪に入って枝を振り回していたが、それが小学生みたいで何だか可笑しく全員が吹き出した。
「ちょっと面白いわアレ」
「B君、かわいい」
全員の緊張をほぐして尚且つ率先して偵察にいったというのに何だか哀れなB。
「おまえら笑ってんじゃ…」
文句を言いながら振り返ったBだったが、突如として硬直した。
それはもう見事な驚愕を表していて、俺達は自然と笑いが引いてしまった。
Bの視線は明らかに俺達に向けられている。
Bの反応を見てか、Aが慎重になり冷静を装うように声をかける。
たまにそうゆう奴いてるよね!
ホモ系ではなく、預言者みたいなの。
アッー!