裏山の住人
投稿者:赤壁二世 (13)
中学生の頃、実家の裏山でよくバーベキューをしていた。
祖父から受け継いだ山はかなりの土地面積で、小山程度の広さはある。
ある日、俺は友人二人を呼んでプチキャンプを楽しんでいた。
仮に友人二人はAとBとする。
裏山には途中平坦な空き地があり、そこを親父が伐採して簡易的なキャンプ広場を作って、今では月に一回程度そこで外食している。
そこで親父に頼み込んで一日友達とお泊まりキャンプすることになったというわけだ。
バーベキューセットもテントも親父から借りて、食材は友達が持ち寄って火を起こして焼いて食べる。
親父から火の始末だけは口煩く言われ焚き火は許可が降りず、代用のガスコンロだったが。
アウトドアを満喫した俺達は悠然とした時間を堪能し、やがて夜になった星空を見上げながらテントで一泊する準備に入った。
「キャンプって最高だな」
「山持ってるお前が羨ましいよ」
AとBが満足してくれたようで俺も嬉しかった。
LEDのランタンを灯して床につく。
虫の鳴き声をコーラスに睡魔が襲ってくる。
気がつけば俺は寝ていたようだ。
気配がないことに気づき、ふと隣を見れば二人の姿がなかった。
「A?B?」
俺はテントから顔を出して二人の名前を呼んだ。
すると、木陰からBがズホンのファスナーを上げながら月明かりの下に姿を現す。
「トイレしてた」
「Aは?」
「うんこ」
納得した俺が大きく欠伸をして睡眠の続きをしようとテントに戻ろうとしたその時、
「うわああーーーーっ」
Bが出てきた方向からAのけたたましい悲鳴が聞こえた。
俺とBの目が合ったと思えば、Bは茂みの前まで駆け寄り、
「A!どうしたー!?」
と両手を添えて大声を出す。
Aからの返事はないないものの、断続的な悲鳴のようの焦り声がこっちに向かってきているのがわかった。
「た、助け…!殺される!」
裏山の語源は羨ましいかなと、調べてみたら
全然違いました。
AとBは夜中にズボン下げて何してたんだろね?
おそろしや。