医学部校舎で起こる恐怖
投稿者:K-Style (7)
私の通っていた大学は医療系専門の大学で、医師や歯科医師、看護士、歯科衛生士などの勉強をしている学生ばかりの少し特殊な環境でした。
医歯学部生の授業ばかりなので、解剖の授業も日常的に行われます。校舎のあちこちで、何十羽という兎や雉が運ばれていくのを目にしますし、異様な臭いが廊下中に漂っていることも日常茶飯事でした。
そんな校舎内では、不思議なことも頻繁に起こります。夜まで校舎に残っていると、いるはずのない動物の鳴き声が聞こえてきたり、何も無いのに天井から鳥の羽が何枚も落ちてきたり…。
その中でも忘れられない私の実体験をお話します。
その日は午前の授業でラットの解剖を行い、午後はそれを綺麗に片付け、座学の授業の後、担当教官にレポートの追試指導を受け、学食で友人と夕飯を取りつつ次の日の授業の予習をして…と朝から忙しく、そろそろ帰宅しようと思った時には夜22時近くになっていました。
一緒に残っていた友人と電気の消された暗い校舎の廊下を歩いていた時です。
ふと、前方にぼんやり白く輝く丸い物が落ちています。
よく見ると、ずんぐりよく太った一匹のラットでした。
友人と「なんでこんな所に?」「今日の解剖授業のラットが一匹逃げていたのかな」と話しながら近付くと、我々に気付いたラットはさっと逃げ出し、近くにあった掃除用具ロッカーの中に潜り込みました。「うーん、こんな暗い中、素手で捕まえられるるかなぁ」と呟きながら、友人がロッカーのドアを開けた時です。
「ぎゃああああ」という耳をつんざくような悲鳴をあげ、友人が尻もちをつきました。私は慌ててそちらに近付き、ロッカーの中を見てしまいました。
そこには、赤い目を光らせた何十、何百というラットが折り重なるように所狭しといたのです。
「うわぁぁぁ」と私も声をあげ、ロッカーのドアを思い切り閉めました。友人を起き上がらせ、用務室へ行き事の次第を話し、まだ校内に残っていた職員数人と捕獲カゴを持って現場に戻りました。
ところが、ロッカーの中にはホウキやモップが入っているだけ。ラットがいた形跡すらありません。
私も有人も、ただ呆然とするしかありませんでした。
職員の人達はこういう事には慣れているらしく、「解剖した日は、きちんと感謝の気持ちと供養の気持ちを持ってね」と言って、ロッカーに一度手を合わせて帰っていきました。
想像したら鳥肌立った・・・
ラットってネズミだっけ?