エリコちゃんとの思い出
投稿者:LAMY (11)
ワンピースのような薄手の可愛い洋服。
力を込めれば折れてしまいそうな細い手足。
腰くらいまで伸ばした長い髪。
いつもにまにまと笑っているかわいい口。
顔中にびっしりついた、くりくりした大きな無数の目。
「その場が凍りついたのは、もう言うまでもないですよね」
……全員、描いている時はその姿の異様さに気付かなかったのだという。
描けと言われてすぐに描けるくらい鮮明な記憶があるのに、ずっとそれを当然のものだと思っていた。
そんな魔法が、他人の手によって描かれた姿を見た途端に一気に解けた。
「まさにね、魔法だったんですよ。エリコちゃんは私達に魔法をかけていたんです。
そして私達が、その魔法を解いてしまった」
飲み会の席はすぐさまお開きになった。
矢田さんを始めとしたかつての同級生たちとも、今は一切連絡を取っていないという。
そしてそれは彼らも皆同じだと思う、稲沢さんはやつれた顔でそう語った。
「頭から離れないんです、あの子の顔が」
仕事をしていても何をしていても、ふと気を抜くとあの顔が脳裏をよぎる。
口元に人懐っこいにんまりとした笑みを浮かべて、顔中に吹き出物のように無数の目をひしめかせたエリコちゃんの顔が、どうしても忘れられないのだという。
「私、この先どうしたらいいんですかね……」
稲沢さんは現在心労が祟って体を壊し、長年務めた仕事も辞めてしまい、親類の家で世話になっているのだそうだ。
彼が通い、エリコちゃんと同じ時間を過ごした小学校は、今も同じ場所にあるという。
面白かった
エリコちゃんは、妖怪?
にしては力が強すぎる!
ゾワッとしました
私もエリコちゃんは妖怪なのかなと思いました
百々目鬼?みたいな
凄く読みやすくて引き込まれました
北海道ということは妖精みたいな?コロポックルとか?違うか…
Eee
ここ数年で一番面白い
全員違う姿を描くのかと思いきや‥
まさかの展開ですごく面白かったです
「にんまり」という笑顔の表現は良いイメージにならないので、語り手さんも何かしらの違和感は感じていたのかもしれませんね‥
こ、これは恐い…ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
ぬ~べ~!?
ためはち
オチがコワイです
百目
どちらに転ぶかというオチまでの流れ、引き込まれて想像してしまう。めちゃくちゃ上手です。最高
怖すぎる。
一人暮らしなんだけどパキっとか音がしただけでビクビクしてまうがな。
嫌だなぁ
2024年10月19日 こんなに興味深い話、ひさしぶりでした。各々がエリコちゃんの絵を描いている時までエリコちゃんの異形に気づかない、せぇのと、見せあった時、魔法が解けて怪異を目の当たりにするなんて…エリコちゃんはみんなの思い出の中で美しい思い出のままでいたかったはず。
何も悪さしない子なのに、話の流れで怖く感じさせるところがすごい
ゲジゲジみたいに、見た目害虫で実は益虫ってことで
((((;゚Д゚)))))))