障子から見つめる目
投稿者:青雲 (3)
これは私が幼少のころ体験した実体験です
祖父母の家へよく遊びに行っていた私は、畳張りの障子がある大きな部屋でよく弟たちと遊んでいました
その日もかくれんぼのため私は鬼に、弟たちは隠れることになったのです
百まで数えてもういいかいと聞き、それぞれからもういいよとの返答が帰って来たので早速探しに行きました
いくつかある部屋を開け、押し入れやトイレ、台所など探しましたがなかなか見つかりませんでした
その中でも薄暗くて雰囲気が怖い大部屋だけにはあまり行きたくなかったのですが、探すために仕方なくその大部屋の障子戸を開けました
大部屋には机と押し入れがあるだけなので、机の下を探し、押し入れの扉を開きましたが弟はどちらもいませんでした
ふぅとため息をついてから大部屋を出ようと障子戸の方を見ると、穴が開いていなかったはずの障子に穴が開き、そこから目がのぞき込んでいました
弟が痺れを切らし覗いているのだと思って戸を一気に開けると、廊下には誰もいませんでした
弟たちは幼く、駆け回るので足音が大きいはず、それなのに足音もしなかったのです
不思議に思ってもう一度大部屋に入り戸をしめると、やはり破れた部分から目が覗いているのです
怖くなった私は扉を閉めて一目散に逃げ出しました
あの日以来その障子戸から目が覗くことはなかったのですが、今でもその大部屋に行くのをためらってしまいます
ちなみに大人になってから弟たちに聞いてみると、なんと一番下の弟は同じものを見ていたそうです
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