自分だけが見えない女性の話
投稿者:青雲 (3)
これは私自身の体験談です
高校生の頃、仲のいい友人5人で地元でも有名な心霊スポットの廃ホテルへ行きました
夜は皆怖いので昼に集まりその廃ホテルに向かいました
リーダー格であるA君が前を歩き、私、B君、C君、D君、E君の順でした
中に入ると不良たちに荒らされていたらしく、ところどころにスプレーによる落書きや、物が壊された跡などがあり、それがさらに不気味だったのを覚えています
入ってから30分ほど探索しましたが、特に噂になっているような女の幽霊など出ず、がっかり反面、ホッとしていました
「結局何もいねぇな」
そうA君が言ったあと、もう出ようということになって入り口に戻っていた時のことです
突然私以外4人の足が止まりました
「どしたん?」
私がそう聞くと
「走れ! 早く!」
と、A君が叫びました
私は何が何やら分からず立ち尽くしていましたが、4人は一斉に走って私から数メートル離れました
「え?え?」
何もわからない私が戸惑っていると
「お前見えてないんか!」
B君が私にそう言っていますが何のことかわかりません
「何が見えるん?」
と聞くと
「お前の真横にいる! 女が!」
A君がそう言いました
「え?どこ?ここ?」
私は空中を手ではたきましたが、何も触れるものもなく、手はただ宙をすかしているだけ
「触ってる! 女の顔触ってるって!」
皆口々にそう言っていますが、私はまったく分からないので、ずっとその女の顔を触っていたそうです
何故私だけに見えなかったのかはわかりません
しかし友人たちが言うには、霊の顔を触ってるときのお前の笑顔の方が怖かったと言われました
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