カギがなくて先に進めない

いつもなら夕方ギリギリまで遊んで帰る、というのがお決まりでしたが今の時間はまだ1時間半くらいが経過した3時頃、まだ帰るのには早すぎます。
「いやまだ帰らんよ」
当然A君はこう言うでしょう。
しかしB君はかなり強めの口調でいいました
「いやもう帰れって」と。
彼がここまで強い口調で言うのはあまり無い事で私と同様にA君も驚いているようでした。
「なんでだよ？」

A君の質問は当然の質問で、私も同じ疑問を持っていましたのでB君の返答を待ちます。
すると少し間を開け、B君が答えました。

「いや・・・夢には続きがあるんだよ」
続き？カギを探し出した続き？

B君は続けます
「今日、Aのおばさんが救急車で運ばれる」
えっ？
私は何を言っているんだ？と思いました。
AのおばさんとはA君の母親の事を言っているんだと思いました。
「ここでカギを見つけてそのまま夕方まで遊んでいたら、電話があってAのおばさんが救急車で運ばれるって言われるまでが夢」
A君は笑ってこの話を聞いていますが、明らかに動揺しているように見えました。

なぜなら、カギを発見したのは正夢だったからです。
救急車で運ばれる　という部分がもし正夢の続きだったら・・・。
急に怖くなり、私もA君に帰った方がいいといいました。
A君は平常を装いつつもかなり動揺していたようで、すぐに帰る決断をし、私の家を離れました。

夕方、A君から連絡があり、A君のお母さんが台所で転倒し、頭を強打して救急車で運ばれたということを知ります。
B君の夢は本当に起こりました。

私はとてもB君が怖くなり、B君に電話ました。
B君が言うには過去にも何度か正夢、予知夢というものを数回見たことがあり、その夢には必ず夢の中に犬がいる　という特徴があったため、今回の夢が正夢になるということが分かったそうです。

40歳になった現在B君は全く予知夢や正夢は見なくなったそうです。
いまだに私は信じがたい出来事でしたが、この話は事実です。