「なんで見えているのにそんなに平気なの?」
投稿者:キュア (2)
私は昔から霊感が強く、くっきりはっきりと幽霊的なものが見えることが多くありました。
しかし、お祓いができるとか、それのバックボーンがわかるとかそういったことはできず、ただ見えているというだけの状態でした。
小さい頃は気味悪がられたので、次第にあまり人にそういったことは話さなくなりました。
そんな中、中学生になると周りにも「幽霊が見える」と自称するという人達が何人か表れました。
その人たちが言う霊的なものは自分には見えず、自分の見えるものを伝えると後から共感する、という感じだったので本物だったのかわかりません。
中学の林間学校に行った際の話、そこは結構な山奥だったと思うので宿泊施設までかなり遠く、従業員の人たちも泊まり込みで働いているとのことでした。
宿泊期間中はそこの宿を拠点として様々な課外活動を行っていました。
その間も、自称幽霊が見える人たちは「子供の幽霊がいる!!!」「バスの中についてきている!!」と大声で喚き散らしていました。
自分にはやはりそれが見えず、あまりにも頻繁に叫ぶのでいい加減うんざりしていました。
彼らは宿泊施設でもずっと何かが見えていたようで、従業員の人を見かけては「憑りつかれている!」と騒いでいました。
従業員の人たちは家族で泊まり込みに来ているようで、お子さん連れだったり旦那さん連れだったりとアットホームな雰囲気で私たちを出迎えてくれていました。
あまり交流はありませんでしたが、食堂では同じご飯を食べていましたし、すれ違うたびに簡単ですが挨拶もしました。
憑りつかれているとかはよくわからない私でも、なんて失礼なことを言うんだろう、とはらはらしたのを覚えています。
なんだかんだで最終日を迎えて、宿泊施設の皆さんに見送られて無事に帰ることになりました。
自称見える人たちはさすがに最後には騒ぐことを辞めて、大人しくしてるようでした。
あまりにも静かなのでどうしたのかと声を掛けると、彼らは震えていました。
何をそんなに怯えているのか、と聞くと「なんで見えているのにそんなに平気なの?」と聞かれました。
自分の理解が追い付かず「??」という顔をしていると、半泣きになりながら彼らは言いました。
「あの宿泊施設には女性の従業員しかいない」
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