東北の山村で崇められる石引様
投稿者:雅 (2)
最近、俺の住んでるマンションで騒音騒ぎがあったんだよ。
そんで昔の話を思い出したんだ。
あれは確か、小6くらいのときだったと思う。
毎年8月ごろに、母方のじいちゃん家に遊びに行くのが俺んちの恒例だったんだよ。
じいちゃん家ってのは、山形の寂れた村の中にあるんだ。
あたり一面山だらけ。外遊びが嫌いな俺にとっちゃ地獄だったね。
仕方ないから家の中でゲームボーイアドバンスでもしてると、じいちゃんが怒鳴るんだ。
「いつまでも家にいるな!」ってな。もう最悪だったよ。
だから俺は、じいちゃん家に行くのが嫌だったんだ。
外出たところで遊び相手なんて誰もいやしない。
同い年の子供がいないんだよ。
若くても最低20歳くらい。
遊びに付き合ってくれる年齢でもないし、そもそも俺だって遊びたくねぇし。
できることといったら山の探検くらいだった。
真っ昼間から木の棒片手に勇者ごっこしてたよ。
ちょうどその頃、ドラクエにハマってたしな。
なんの気無しに田舎道を歩いていた、その時だった。
近所のおばさん(Aさん)が、道の真ん中でずぅーっと突っ立ってたんだよ。
年齢はたしか、その時で40歳くらいだったと思う。
よれよれの黄ばんだTシャツに、きったねぇジーンズ履いて、両手をぶらーんと垂らしてるんだ。すんげぇ猫背だったのも覚えてる。
空がめちゃくちゃ綺麗で、暑い日だったからさ、Aさんの汚さが印象強かったんだ。
田舎の情報網って早くてさ、誰が何してるとかはもう筒抜け。
Aさんはボケた母親とふたり暮らしでさ、介護でほとほと疲れてるって話だった。
「いろいろおかしい人だから近づいちゃダメよ」、お袋からそう聞かされてたんだ。
10歳そこらのガキでも、さすがにヤバい、ヤバくないの判断はつくだろ?
俺もヤバいって思った。
だからひょいって会釈して(したつもりだったかも知れん)、通り抜けようと思ったんだよ。
そしたらいきなり、
「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」
俺、びっくりして。
声も出ないって、こういうことなんだなって思った。
動けなくなっちゃってさ、急に笑い出したAさんをじっと見てた。
いや、見てたっていうか、見るしかなかったんだよ。
何されるかわかんないじゃん?
背中向けて逃げる方が怖いって思ったんだと思う。だからじぃっと見てた。
とても読み応えありました
面白い話しでした
洒落怖全盛期を思い出しました
どうしても昔のうひゃうひゃうひゃを思い出すな
これって1さん憑かれてない?
1です。たぶん大丈夫ですよw
山形の人は気が強いのか。そうかもな。
長いけどよかった
ねぇ1さん 寝言 録音してみよ
ちょっと古臭い
これって、石引様に何かされてるだろ。
> モテないわけじゃないんだぜ?
結構夜の町でひっかけたりするんだけど、
…夜は夜でポン引き様に魅入られちゃったんですね、わかります
他所から遊びに来てる子供に儀式を任せるとか正気か
よくそんなノリで長い間伝統を維持してこれたな
儀式をやったのその時が初めてなんじゃねえのって思っちゃうくらいの杜撰さ
騒ぎを持ち出した少年に責任とらせるっていうのが田舎らしい。
だぜ?
Aさんの様子が統合失調症の症状や薬のストレス性チックに合致するけど医療に繋げてくれる人はいなかったのかな
この手の話を聞く度に思う。誰かを犠牲にしないと存続出来ないような村ならいっそ滅べ、と。生き残る奴が、犠牲になった人より価値があると思えない。鏖殺でええよ。
村落 カミサマに纏わる話は、総じて救いがないというか、恐ろしい話が多い。
言い伝えられている名前とは違う、別の名前をもっていたりする。
儀式や決め事を守らなかった者たちの顛末とか、この手の話には、よくある展開だったけど、ラストでゾクリとした。あぁ、取り憑かれているねって。
時代は変わり、もう集落なんて過去の遺物になるんだろうけれど、話自体は、こういう形で残っていくんだろうな。
面白いですよ。うひゃひゃ。
杉ちゃんかな?
寝言でうひゃうひゃ言われてちゃ醒めるわなw
これ家にばっかいるなって外に出した爺ちゃんが一番の元凶じゃね?
ま~たこんなパターンの創作話、と読み始めたが。
なんだか何カ所ものディテールがリアルっぽい。まぁ、上手いのでしょう。ほんわりと怖い余韻もしっかり残すし。
寝言でうひゃうひゃ笑ってるんだろうな
村の迷信に惑わされて医療機関に繋げてもらえないAさんが気の毒すぎる。これはヒトコワでは?もちろん怖いのは村人の方で。
最後が蛇足に感じてしまうが面白かった!
ぶったたいた母が怖い