怖くないと思った肝試しだったのに・・・
投稿者:Jacob (7)
学生時代の話です。友達に誘われて、友達の彼氏と何人かで病院の廃墟を見に行くことになりました。
夜中はさすがに怖いよねと言うことで、昼間行くことにしました。車で山を少し登った先にある本物の廃墟です。
雪が降った数日後の寒い冬の日で、山の上にはまだ少し雪が残っていました。
車を降りてドキドキしながら歩いて行くと、まず最初に病院の入り口の前に噴水がありました。そこでたくさんのカエルの声がゲコゲコと威勢よく聞こえてきました。
ここから入るんじゃないの?などと言いながら、病院をみると、壁には落書きがされていたりツタの植物が生えていたりと、とても物々しい雰囲気でした。
病院の入り口付近についていざ入ってみようとした時、アーーーーッという大きな声がしました。
キャーーーッとみんなで叫んで走って逃げたのですが、走っている途中で、アーーーという声は鳥の声だったことに、友達の彼氏が気づきました。
なんだよ、びっくりしたね!などと言いながら、それでももうやっぱり怖くなったので、戻らずに帰ることにしました。
何も出なくてよかったけど、もし不審者がいたりしたらそれも怖いよね、人の方が怖いのかもね、などとファミレスで少し話してから解散し、家に帰りました。
家に着くと、いつも私が帰ると飛びついて喜ぶ愛犬に、その日はなぜか大声で吠えられてしまいました。
色々人に会ったりしたから、匂いがついてるのかな、疲れたし。
と、あまり深くも考えず、その後、お風呂に入ってさっぱりしたら、愛犬もいつも通りになってくれたのでホッとして、その日はぐったりと眠りました。
数日後、久しぶりに会った彼氏との車でのドライブ中に、そういえばね、と肝試しに行ったときの話をしました。
彼氏は黙って聞いていましたが、最後に一言、言いました。
それって冬だよね、なんでカエルが鳴いてるの?
確かにそうです。でも思えば、周りに雪が残った冷たい噴水の水の中から、たくさんのたくさんのカエルの声がしていました。
なぜだったんでしょうか、今でも田舎の道でたくさんのカエルの声を聞くたびに思い出します。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。