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心霊

トミダさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

産院で起きた恐怖体験
短編 2020/12/18 17:35 2,232view
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私は家族の中で最も霊感がありますが、極度の怖がりの為不思議な経験や恐怖を経験しても気のせいで終わらせてしまう事が度々ありました。
しかし、出産を迎えた8月15、16日に気のせいでは済まない恐怖体験をしてしまいました。

子供を15日の早朝に出産した後、すぐに母子同室での育児がスタートとなり夜中であっても関係なく細切れ睡眠を余儀なくされました。
初めての授乳とオムツ替えに疲弊した私はそのまま子供と倒れ込むようにベッドに横になりました。

ウトウトしていると、身体が動かなくなりました。すぐに「金縛りだ」と冷静に判断出来ましたが、直後に私の目を疑う物を見ました。人影が目の前に現れたのです。
助産師さんでもなければ医師でもない事は一目瞭然でした。

その人影は文字通り人影で真っ黒だったからです。性別も分からなければ、職業も分からない真っ黒な人影は間違いなく幽霊だという事が分かりました。
幽霊はゆっくりと赤ちゃんに近寄って来ました。私は赤ちゃんを守るため、必死で身体を動かそうとしましたが動きません。真っ黒な影が赤ちゃんに触れようとした時、やっと「やめろ!子供に手を出すな!」と言う事が出来ました。
しかし、今度はその人影が私の腕をギュッと掴み、ベッドから引きずり降ろそうとしてきました。赤ちゃんを抱いていたため、抵抗が上手く出来ずそのまま頭を掴まれてしまいました。負けてはいけないと気をしっかりと持ち「離せ!成仏しろ!ここはお前のいるべき世界じゃない!」と叫んだところ、目が覚めました。

赤ちゃんは無事で、私も外傷はなく周囲の患者も眠っていたようでした。夢だったのかと安心したのも束の間、右手が痺れて上手く動かせませんでした。よく見ると私の右手は真上に伸びている状態でした。確かに眠りに入る時は右手は下ろしていたはずなのですが、真上に伸びて更に痺れています。私は夢の中で幽霊に掴まれた手と同じだと確信しました。怖い気持ちと不安な気持ちが入り混じってその後は授乳室で一夜を過ごしました。ここまでが8月16日の深夜の出来事です。

退院後、両親から「入院中に変わった事は無かったか」と聞かれたので夢の事を話すと、「陣痛室に女の幽霊がいた事は気付いていた?」と重ねて聞かれました。詳しく聞いてみると、8月15日、私に付き添っていた弟が陣痛室にベッドに女性の幽霊が座っていたのを目撃していたとの事でした。出産に集中させるために敢えて私に言わなかったらしいのですが、弟が15日に幽霊を目撃していて私が16日に見ているとなると偶然であっても怖くて仕方がありませんでした。その後、念の為にお祓いをしてもらったので以降は幽霊を見ていませんが今後は入院する際には厄除けのお守りを常備しないといけないと思いました。もう二度と病院で怖い思いはしたくありません。

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