「俺らが話してたあいつは誰？」

これは飲み友達が地元で有名な怖い話だと教えてくれた話です。

ある同級生の同窓会があった日のことだそうです。

同窓会といっても学生時代本当に仲の良かった仲間とだけ会おうというもので、6人と同窓会にしては少人数でした。

彼らは駅前の居酒屋に集合という約束でした。一人また一人と懐かしい仲間が居酒屋にきて、ただ一人だけ遅れてきたけれど、無事に6人が集まり、みんなそれぞれの仕事や今の自分の現状を話したり、学生時代の話しなどで盛り上がり、とても楽しい会だったそうです。

そして、そろそろお開きをしようということになり、仲間のうちの一人は、たまたまお酒が飲めない体質だったので車で来ており、みんなを送っていくよ！と言ってくれたそうです。

彼は仲間の中でも特に昔から優しい人だったそうで、みんな彼に甘えて、送ってもらうことにしました。

彼が一人一人を家まで送ってくれて、みんな無事に帰宅したそうです。

しかし彼らは後日、衝撃的な事実を知るのです。

その家までみんなを送ってくれた彼は同窓会の日、実は居酒屋に行く途中に事故で亡くなっていたそうです。

仲間の一人が事故のニュースを見て亡くなった彼の実家に電話をしてみると彼の母親が話してくれて、それは紛れもない事実でした。

「じゃぁ、俺らが話してたあいつは誰？」
「俺ら家まで、あいつに送ってもらったよな？」
と話す仲間もいれば、居酒屋に遅れてきたのも亡くなった彼だったので、「もしかしたら、遅れた原因って事故だったのかな…。それでも俺らに会いにきてくれたのかな。」と、仲間たちは涙ながらに話していたそうです。

怖いけれど心温まるこのお話が地元の駅で有名な話だと言っていました。