子ども部屋に浮いている人
投稿者:せーじ (1)
短編
2021/08/22
13:11
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これはわたしが小学校3年生のときに体験した話です。
ある日の夜10時ごろのことです。
その日はなぜか全然ねむれなくて、1時間くらい寝返りをくり返しながら、ベッドで横になっていました。遅い時間になればなるほど、なにかこわいことが起きそうな気がして、早くねたいとずっと考えていました。
となりの部屋では父が勉強していて、ふすまの隙間からあかりが漏れていましたが、音はなにも聞こえませんでした。
どうしても眠れる気がしなくて、一度水でも飲もうと思い、一階の台所に行こうとベッドのカーテンを開けました。
からだを乗り出してふと右を見て、わたしは固まってしまいました。
部屋の隅に、きものを着た全身真っ白のおじいさんが浮いていたのです。
おじいさんと完全に目が合いました。
直立のまま真顔でじっとこちらを見ていたのです。
子どもだったからなのか、幽霊がすごく大きく感じたのを覚えています。何が起きているのか全く理解できず、あたまが真っ白になりました。2、3秒固まってから、訳もわからずベッドに戻り、カーテンを閉めました。
そのあとは、混乱していてなにもできず横になっていましたが、いつのまにかねむりについていました。
当時は本当に信じられなくて、誰にもこのことを言うことができませんでした。
あれからもう20年くらいたちます。
しかし幽霊の全身が真っ白だったことも完全に目が合っていたことも、はっきりと写真のように思い出すことができます。
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